2015年10月09日 15:21 弁護士ドットコム
病院で腰痛などの治療を受けていた会社員の女性(42)が、主治医の男性から無理やり抱きつかれ、キスをされたり、陰部を押し付けられたりするなどの「セクハラ行為」を受けたとして、10月9日、医師と東京都内の大学病院を相手取り、880万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
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訴状などによると、女性は10年ほど前から、慢性的な身体の痛みに悩まされ、ひどいときは家から一歩も出られないくらいだった。整形外科や鍼灸院など20カ所以上に通院して治療を受けたが、一向に良くならなかった。
その後、2008年からこの病院で治療を受けたところ、大幅に改善されて、日常生活を送れるようになった。ところが、2011年から主治医になった男性医師から、食事の誘いなど、治療に関係のないメールが送られてくるようになった。
「治療の一環かもしれない」と考えた女性は2011年12月、主治医と東京都内の飲食店で食事をした。ところが、その帰りのエレベーターに2人で乗ったとき、突然、医師に抱きつかれ、無理やりキスされたり、勃起した陰部を押し付けられたりするなどの「セクハラ行為」を受けたという。
女性によると、その後の治療でも、医師から診察室で、治療と関係のない下腹部付近を手のひらで触られたという。さらにその後も、女性は計3度の食事のあと、医師からキスをされるなどした。
提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた女性は「痛みを取り除いてくれた病院と医師には感謝していたが、女性として、一生の傷を負うようなことを受けた。治療をたてに、逆らうことも言い返すこともできず、本当に悔しかった」と涙ながらに訴えた。
大学病院側は「訴状を見ていないので、コメントは控えさせていただきます。速やかに事実関係の確認を行います」とコメントしている。
(弁護士ドットコムニュース)