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F1撤退か、継続か。レッドブルの決断は10月末に。ドライバーたちの将来に懸念

2015年10月09日 13:20  AUTOSPORT web

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レッドブル・レーシング ロゴ
レッドブルのボス、ディートリッヒ・マテシッツが、2016年に向けて優れたF1パワーユニットを確保するための交渉はまとまっていないことを明らかにし、10月末までにはF1から撤退するかどうかの決断を下すと示唆した。レッドブル・レーシングとトロロッソのドライバーたちは他にシートを探さなければならない可能性があると認めている。

 昨年からのルノーの不調にレッドブルは不満をあからさまに示し、両者の関係が悪化、契約満了を待たずに今季末で袂を分かつ見込みであることが分かっている。

 レッドブルはメルセデスにパワーユニットの供給を打診したが合意に達することができず、現在はフェラーリと話し合いを行っている。しかしフェラーリには型落ちのエンジンしか提供する気はなく、ワークスと同等のエンジンを求めるレッドブルとの交渉は行き詰まっていると言われている。

 レッドブルは9月に自らが運営するメディアSpeedweekを通して、「レッドブルはフェラーリが真のワークスエンジン、(セバスチャン・)ベッテルと(キミ・)ライコネンが使っているものと同じレベルのものを提供する場合に限り、F1活動を続けたいと考える」と述べ、タイトル争いができる見込みがないのであればF1参戦に興味はないと断言した。

 Sky Sportsによると、Speedweekを通してレッドブルは、10月中に進退を決めると示唆したという。

「エンジンを確保しようと努力しているが、まだ確保できていない。少なくとも我々が望むようなエンジンは」とマテシッツが述べている。
 エンジン契約の成立をいつまで待つことができるかと聞かれた彼は「10月終盤までだ」と答えた。

 Speedweekには次のようにも記され、レッドブルの撤退宣言が単なる脅しではないと強調されている。
「レッドブルはドリンクメーカーであり、ウイリアムズ、マクラーレンのような不変のF1チームではない。またフェラーリ、メルセデス、ルノー、ホンダのような自動車メーカーでもない。F1参戦はレッドブル社にとってマーケティングツールであり、世界的なイメージ広告のための媒体なのだ」


 レッドブルがF1から撤退する場合、ダニエル・リカルド、ダニール・クビアト、マックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツJr.という有望な若手ドライバーたちがシートを失うことになるかもしれない。現在空きシートが残っているのはロータス(おそらく来季はルノーとして参戦)とハースの各1席、マノー・マルシャの2席のみだ。

 ロシアGPを前に自分の将来について不安はないかと聞かれたフェルスタッペンは次のように答えた。
「心配はしていない。僕は複数年契約を結んでいる」とフェルスタッペン。
「彼らが撤退するとしても──どうなるかは様子を見る必要があるけれど──自分がF1にいられなくなるとは思っていない。彼らがやめるなら、手を打つ必要があるが、彼らが活動をやめるというような兆候は僕には感じられない」

 レッドブルが撤退を選ぶ場合、自分のシートの面倒を見てくれると思うかと聞かれたフェルスタッペンは「それが公平だと思う」と答えた。
「今は他に目を向けてはいない。レッドブルにはとても満足しているし、彼らは僕のためにいろいろなことをしてくれた。彼らのおかげで僕はここにいることができるんだ。だから今は他に目を向ける理由はない」

 サインツは、マシン開発の遅れについては心配しているが、チームはF1活動を継続すると確信していると述べている。クビアトは自分のボスを信頼しているとコメントするにとどまった。

 一方リカルドは、今も前向きな見方をしているが、10月末になればシートを他に探さなければならなくなるかもしれないと認めている。
「まだ10月末ではないし、今もポジティブに考えている」とリカルドが述べたとCrash.netが伝えた。
「10月末になって問題が解決しなければ、他の状況に目と耳を向け始めるつもりだ」

「シーズンが始まっているのにカウチでそれを見ているなんて……。絶対に走りたい。まだカウチでごろごろするような歳じゃないからね!」