ロータス・チームは日本GPで財政難からホスピタリティハウスを使えなかった。日本GP直後の9月28日には、ルノーが「ロータスの首脳陣とチームの買収に向けて基本的な合意を交わした」と発表。チームの苦境はひと段落したと思われたが、ロシアGPでもロータスの財政状況は依然として困窮している。
通常フライアウェイ戦では、チームの先着部隊が火曜からピットガレージやホスピタリティハウスの設営作業を開始する。ところがロータスだけは、ガレージもホスピタリティも閉鎖されたままの状態となっていた。
理由は、今回もロータスがロシアGP主催者に施設使用料を支払っていなかったためだ。ロシアGPのホスピタリティハウスは2階建てで、使用料は1週間で6万1000USドル(約730万円)と決して安い値段ではない。
しかし火曜の夜から水曜にかけて支払いをめぐる問題は片づいたようで、レースチームのメカニックやエンジニアたちが到着する水曜には、ロータスのガレージやホスピタリティが開けられ、チームは週末に向けた準備作業を開始することができた。
ただし船便で届くはずのコンテナは、まだ届いていないという情報がある。船便を使う荷物はガレージ内に立てられるパーテーションなど付属品が多く、仮に届かなかったとしても、マシンやレースに必要な機材は航空便を使用するため、レースそのものに深刻な影響はないものと考えられる。
ロータスはロシアGPも、なんとか戦うことはできるだろう。とは言え、いまだ苦境にあるのは間違いない。現状を物語るように、ロータスのガレージ内には「Japanese GP」の文字が入ったパーテーションが立てられていた。
(尾張正博)