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A.B.C-Z、オリコン週間ランキング1位を獲得 初シングルがヒットした理由を考える

2015年10月08日 07:01  リアルサウンド

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 デビューから3年8ヶ月、9月30日に初のCDシングル『Moonlight walker』をリリースした体育会系アイドル・A.B.C-Z。そして見事、2015年度第43週目のオリコン週間シングルランキングの1位を獲得した。初動8.0万枚と好調なスタートを切ったと言えよう。『Moonlight walker』と同日に発売されたCDシングルには、各分野でトップクラスの人気を誇るアーティストの作品も多くあった。そんな中、A.B.C-Zが1位を獲得できた理由とは何なのだろうか。様々な視点から要因を分析してみたいと思う。


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 まずは今回のシングル表題曲「Moonlight walker」が、作詞・松井五郎、作曲・馬飼野康二のコンビで作られていることが挙げられる。馬飼野康二は、他のジャニーズグループの曲でもよく名前を目にすると思う。彼は、新人ジャニーズのブレイクを支える仕掛け人と言っても過言ではないのだ。例えば、嵐の「A・RA・SHI」、関ジャニ∞の「無責任ヒーロー」、KinKi Kidsの「愛されるより愛したい」、Hey!Say!JUMPの「Come On A My House」なども彼の作品である。歌謡曲と流行りのアレンジをミックスさせた曲調が特徴的で、ファンの心を掴んできている。


 さらに、松井五郎もジャニーズにとって欠かせない存在の作詞家だ。馬飼野康二とタッグを組むことも非常に多く、Sexy Zoneの「Lady ダイヤモンド」「Real Sexy!」、光GENJIの「勇気100%」などもこの2人の作品である。このようなヒットメーカーが手がけた楽曲だけに、曲のクオリティが非常に高いと言って良いだろう。また「Moonlight walker」には、Kool & the Gangのヒット曲「Ladies Night」をオマージュしたかのようなベースラインが盛り込まれているなど、ヒットの要素を多分に盛り込んだ楽曲といえるのではないだろうか。


 そして、待望の“CDシングル”リリースである点も見逃せない。A.B.C-Zはこれまで、彼らの持ち味ともいえるアクロバティックなダンスなどのパフォーマンスを存分にアピールするため、DVDという形で楽曲を発表してきた。一方で、雑誌などで幾度となくメンバー自身が話をしているように「CDを出したい」という彼らの思いが強くあったようだ。また、これまでも「ポータブル音楽プレーヤーに取り込んで音楽を楽しみたい」という声がファンから多数あがっていた。彼らの強い希望、ファンの声、DVDの安定した実績、アルバムオリコン週間ランキング1位獲得……これらの要素が重なり、今回満を持してCDシングルの発売につながったと言えよう。


 つまり、今回のリリースは、ファンにとっても待ちに待ったCDシングルである。DVDよりも価格がお手頃であること、初回限定盤A・B・C、通常盤、A.B.C-Z SHOP盤など様々な形態が用意されていたことなどから、複数枚購入をするファンも多く、販売枚数が伸びた一因となったのではないだろうか。


 また、メディアへの露出が増えている点も大きいはずだ。これまで舞台での活躍がメインだったA.B.C-Z。地上波のレギュラー番組は、彼らの冠番組『ABChanZoo』(テレビ東京系)のみである。
 
 実は今年の初めの時点で、メンバーの戸塚以外テレビ関係の仕事が決まっていなかったそうだ。しかし、その後徐々にメディアへの露出も増加。特に塚田は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)を皮切りに様々なバラエティに出演、身体能力の高さを生かして『SASUKE』(TBS系)で活躍するなど、活動の場を広げている。また、戸塚も『恋するヴァンパイア』『日本のいちばん長い日』と映画2本、昼ドラ『癒し屋キリコの約束』(フジテレビ系)への出演など、演技面での活躍が見られる。グループとしても、今回のCDリリースに伴い、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)『MUSIC JAPAN』(NHK)などの音楽番組やワイドショーにも多数出演した。これにより知名度が上がり、いわゆる「新規ファン」が増え、CD購入に至ったとも考えられるだろう。


 もちろん上記以外に、何より彼らが1stシングルリリースまでにコツコツ積み重ねた努力があったからこそ、今回のオリコン週間シングルランキング1位という結果を生み出したのだろう。2nd・3rdシングルの発売はもちろんのこと、タイアップやメディアへの露出など今後もA.B.C-Zのさらなる活躍を期待したい。(高橋梓)