レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーが、ルノーのパワーユニットが再び優勝争いできるようになるにはあと最低でも2、3年はかかり、自分たちとしてはそれを待っている余裕はないと語った。
4年連続でF1ダブルタイトルを獲得したレッドブルとルノーだが、2014年のF1に新エンジンレギュレーションが導入されて以来、ルノーが不調に陥っていることが原因で関係が悪化した。現在の契約は2016年末まで残っているものの、両者はこれを今季末で解消するために話し合いを行っている。ルノーはワークスチームとしてF1参戦を行うためにロータスチーム買収に動き、レッドブルはメルセデスとの交渉が失敗に終わった後、現在はフェラーリのパワーユニットを獲得するために話し合いを続けている。
「パワーユニットのレギュレーションが変わって以来、我々の世界はがらっと変わってしまった」とホーナーはSky Sports F1に対して語った。
「今、優勝争いができるエンジンはふたつだけだ。残念だがルノーは遅れを取っている。またトップ争いができるようになるまでにあと少なくとも2年か3年はかかると思う」
「料金を支払っているカスタマーとしては、それほど長く待つ余裕はない」
今年レッドブルはルノーを繰り返し批判しているが、その姿勢が新規パワーユニット契約に影響するのではないかとの見方も出ている。
「毎週末、公の場でこき下ろすようなチームと組みたいと思うマニュファクチャラーがあるだろうか?」と、元F1ドライバーで現在WECで活躍し、Sky Sports F1の解説者も務めるアンソニー・デイビッドソンが述べている。
「フェラーリにとって何のメリットがある? フェラーリはワークスチームで自分自身のパッケージを走らせている。なのにレッドブルと提携し、毎週末酷評されたのでは、何の役にも立たない」
しかしホーナーは、レッドブルの今の姿勢が交渉上不利になるのでは、という質問に対して「それはどうだろう」と反論した。
「我々は正直であるという罪を犯してきたのかもしれない。私、エイドリアン・ニューエイ、ヘルムート・マルコ、そして(オーナーである)ディートリッヒ(・マテシッツ)にしてもだ。中でもディートリッヒの発言は一番重要だ。彼が金を出しているのだから」
「だがそれが他のサプライヤーに対して何か影響を及ぼすとは思わない」
レッドブルはフェラーリに対してワークスチームが使うパワーユニットと同等のものを提供するよう求めており、勝てるエンジンが手に入らなければF1から撤退すると述べている。しかしフェラーリは今のところワークス用よりも性能の劣った仕様を供給することしか考えていないと言われている。