10月6日、オートポリスにおいてスーパーGTタイヤメーカーテストが行われ、7台のGT500車両、10台のGT300車両の計17台が参加した。GT500クラスでは、カルソニックIMPUL GT-Rが、GT300クラスではARTA CR-Z GTがテスト初日を首位で終えている。
6日~7日の2日間の日程で始まったオートポリスでのタイヤメーカーてせうと。午前の2時間のセッションは空に雲ひとつない快晴のもと、気温17℃とやや肌寒い空気のなかで10時よりスタート。10月31日~11月1日に開催されるシリーズ第7戦に向けても重要なファクターとなる、様々なタイヤを履き替えながら走行が行われた。
朝のセッションでトップタイムをマークしたのはD'station ADVAN GT-Rの佐々木大樹。また、3番手にもWedsSport ADVAN RC Fが入るなど、ヨコハマ勢が好調さを見せた。一方、Epson NSX CONCEPT-GTとMOTUL AUTECH GT-Rは、セッション途中からマシントラブルを抱え、修復に時間を費やすこととなった。
GT300クラスではTOYOTA PRIUS apr GTが午前のトップタイムをマーク。ポイントリーダーのGAINER TANAX GT-Rが3番手につけた。ブランパン耐久シリーズで逆転チャンピオンを獲得した千代勝正も元気な姿を見せ「予想していたタイムより速い」とセッティングが順調に進んでいることに満足そうな表情を見せていた。なお、午前はクラス10番手となったSUBARU BRZ R&D SPORTは、新たなタービンをテストしているとのことだった。
なおこのセッションでは、折り返しを少し過ぎた11時20分ごろに、シンティアム・アップル・ロータスが1コーナーでコースアウトしてクラッシュ。車両はリヤセクションを大きく損傷する形でピットへと戻ってきたものの、午後のセッションの走行は果たせなかった。このクラッシュで赤旗中断となった午前のセッションは、30分を残して終了に。その分の走行時間が午後に追加される形となった。
約2時間のインターバルを挟み、午後のセッションは14時からスタート。15時の時点で気温は21度、路面温度は31度のMAXに達し、WedsSport RC Fの関口雄飛とD'station GT-Rの佐々木がトップ2を占めるなど、ヨコハマ勢が好調さを維持していった。その後、15時40分過ぎに1台の車両がコースオフを喫し、この日2回目の赤旗中断となる。
セッションが再開されると、カルソニックGT-Rのジョアオ-パオロ・デ・オリベイラが、これまでのコースレコード(1分34秒523/ロニー・クインタレッリ=2014年)を上回る1分34秒211をマークしてタイミングモニターのトップに。最終的に、オリベイラのこのタイムがこの日の総合ベストタイムとなった。
また、車両の修復を終えたMOTUL GT-RとEPSON NSXも、午後のセッションで1分35秒台のタイムをマークしている。なおMOTUL GT-Rでは、同じくミシュランユーザーであるS Road MOLA GT-Rの柳田真孝がセッション終盤にステアリングを握り、走行を行なっている姿も見られた。一方EPSON NSXは、午後もマシントラブルが発生し、満足な周回数はこなせなかった。
赤旗中断の影響もあり、最終的に午後のセッションは16時45分に終了。この日トップタイムとなったTEAM IMPULの星野一義監督は「もうSUGOで膿は出し尽くした。残り2戦は拾うレースではなくて力の勝負になる。燃料リストリクターを装着していてもクルマが軽いからいいタイムが出ているのかな? この好調さを維持してレースを迎えたいね」と手応え十分な様子だった。
GT500の総合2番手にはD'station GT-R、3番手にWedsSport RC Fとヨコハマ勢が並び、PETRONAS TOM'S RC Fが4番手、5番手にRAYBRIG NSX CONCEPT-GTと続いている。
また、午後のセッションでGT300の従来のコースレコード(1分45秒335/佐々木孝太=2014年)を上回る1分44秒974でトップにつけ、テスト初日も首位で終えたARTA CR-Z GTの高木真一は「ウェイトが半分になったというのが大きいですね。クルマは3年目だしセッティングにブレもなく順調に10セットぐらいのタイヤを履いて走りました。その中でたまたま一発が良かったというだけで、明日のロングが大事です。去年は、季節は違うけれど勝ったサーキットだし、もう僕たちには優勝しか残されてないという気持ち。レースでは絶対にポールを獲って、ぶっちぎりで勝つつもりで明日も走ります」と気を引き締めていた。GT300の総合2番手はTOYOTA PRIUS、3番手にGAINE GT-Rが入っている。
テストは7日も10時~12時/14時~16時の2回のセッションが行われる予定。一般公開(ひとり1000円、中学生以下無料)もされており、ランチブレイクにはペースカー先導によるコースの体験走行(2周1000円。乗車定員まで乗車可能)も実施されている。この日は50台近くがコース周回を楽しんでいた。
(Kazuya Minakoshi)