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[フィフィ]菅官房長官の”産んで貢献”発言に「近所のおばちゃんか?」

2015年10月04日 21:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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【好評連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】「これを機に、ママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してほしい」。菅義偉官房長官は、9月29日放送のテレビ番組で福山雅治と吹石一恵の結婚について意見を求められた際の発言が波紋を呼んだとして釈明を行い、政権として女性活躍推進に取り組む姿勢を強調した。今回のケースのみならず、相次ぐ政治家の誤解を生むような発言や失言の数々には、支持政党に関係なく、国民はしっかりと声を上げるべきだとフィフィは指摘する。 政治家としては、もう少し言葉を選ぶべきだったのでは? 今回の菅官房長官の発言は、国家に貢献するためにたくさん子どもを産んでください、と受け取られても仕方がない言い方でしたよね。本人に悪意がなかったとしても、政治家として、もっと慎重に言葉を選ぶべきだったと思います。 こうした発言は、社会のなかにおいてはよく耳にすることなんですよね。近所のおばちゃんに「まだ結婚していないの?」とか「2人目はまだなの?」とか言われることってよくあります。だけど、政治家と一般の人では立場が違いますからね。政治家の立場上、やはり不適切な発言だったのではないでしょうか。 そもそも、政治家に芸能ネタにまつわる意見を求めるのもどうかと思いますけどね。記者会見などを見ていても、まったく関係のない分野のコメントを求めるという風潮がありますよね。 たくさん子どもを産んでくださいと言いますけど、産めばいいという話でもありません。産んで育てていく過程において、育児放棄をしたり、金銭的に育てられなくなってしまうことだってあります。実際、生活していくことはキツイですよ。保育所不足、待機児童の増加、離婚率の増加、就職率の低下、自殺率の増加……。子どもを産んでも、果たして安心して育てることのできる社会なのか、疑問があります。 また、産めば社会に貢献、と受け取れる発言をしてしまうと、ごく一部にいる、産んだだけで偉そうな態度をとる女性たちの気持ちを助長してしまうことにも繋がりかねません。 女性の生き方が多様化する社会において、子どもを産むか否か、選択できるようになりました。子どもを産まなかったからといって、社会に貢献していないわけではありません。いずれにしても、こうしたさまざまな誤解を生んでしまうような発言は控えるべきでしたよね。 批判することによって、支持政党を改善していくこともできる 自身の発言に対して菅官房長官は、最終的に釈明をしましたよね。釈明するということは、自分の発言に良くない部分があったと自覚したわけです。 今回のケースに限らず、政治家の失言は本当に多いですよね。そんなとき、その失言をした人が、自分の支持政党に属する人であるため、たとえ発言が間違っていると思っても批判をしない人たちがいるんですよね。支持政党だからという理由で、黙りをきめこんでしまう。 こうした支持政党への妄信的な崇拝姿勢は、社会にとって非常に良くないことです。政党がどこであろうと、良くないと思ったことに対しては、しっかりと国民ひとりひとりが指摘をしなければなりません。それによって、支持政党をより良いものに改善していくことだってできるんですから。 《構成・文/岸沙織》