世界ラリー選手権(WRC)第11戦ツール・ド・コルスは3日、SS4~6のデイ2が行われ、ヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が総合首位の座を奪ったが、デイ1トップのエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタRS WRC)も依然、僅差の2番手につけている。
7年ぶりのWRC開催となったフランス・コルシカ島伝統のターマックイベント、ツール・ド・コルス。しかし初日のデイ1は、悪天候による大雨で一部が洪水被害に見舞われるなど荒れた出だしとなり、デイ2最初のステージとなるSS4は前日キャンセルになったSS2と同じルートを使用することから事前にキャンセルの措置がとられ、実質デイ2の争いは36.43kmのSS5とイベント最長の48.46kmが設定されたSS6の2本となった。
総合首位でSS5をスタートした注目のエバンスは前日の大雨で泥を含んだスリッパリーな路面に苦戦。「泥だらけで難しかった」と語ったエバンスは、このステージを最速タイムで駆け抜けたフォルクスワーゲンのラトバラに最終区間で大幅な後れをとり、21.2秒差の7番手タイムでフィニッシュ。デイ1で約23秒の差があった総合3番手のラトバラに1.7秒差まで一気に詰め寄られてしまう。
また、総合2番手スタートのケビン・アブリング(ヒュンダイi20 WRC)も31.6秒差の10番手タイムに終わり、こちらは総合4番手に後退。代わって、チームメイトのラトバラに続いたアンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が総合3番手に浮上する。
迎えたデイ2最後のSS6では、前日デイリタイアを喫した総合55番手スタートの王者セバスチャン・オジェ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が最速タイムをマーク。一方、総合首位争いでは、ラトバラのポロR WRCにステージ終盤、ギヤボックスのトラブルが発生。しかし、ダウンシフトに問題を抱えたラトバラはこれをマニュアルシフトで切り抜けるとオジェから8.7秒差の2番手タイムで最長ステージを駆け抜け、ダメージを最小限に留めた。
対するエバンスも健闘。ただ、最速を誇るフォルクスワーゲン勢には及ばず、トップのオジェには12.3秒差、トラブルを抱えたラトバラにもわずか3.7秒届かず3番手タイムでSS6をフィニッシュ。この結果、惜しくも総合首位の座をラトバラに譲ることとなったが、その差はまだ2秒と依然として優勝の可能性を十分に残している。
「マシンはとてもいい動きをしているが、昨日ほどのリズムでは走れなかった。でも僕らはまだこの位置にいる。それが重要なことだ」とエバンスは最終日での逆転優勝を諦めていない。
ラトバラからトータル30.2秒差の総合3番手にミケルセン。デイ1総合8番手のクリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)が、SS6でトップから40秒以上の後れをとったアブリングに代わって4番手に浮上している。
なお、デイ1総合5番手につけていたロバート・クビカは、SS5でパンクの疑いから2度のストップを強いられ大きくタイムロス。デイ2終了時点でトップから14分以上の後れとなる総合36番手までポジションを落としている。