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「真面目に仕事探してるの?」「家の電話には出ないで!」 リストラ夫に妻が言ってはいけないNGワード

2015年10月04日 11:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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28日に放送された情報番組「白熱ライブ ビビット」(TBS系)で40代のリストラについての特集が放送されていた。

「緊急調査 もし夫がリストラされたら…妻たちは一体どうする?」と題されたこのコーナー。サラリーマン本人ではなく、その妻をターゲットにした特集だったんだけど、結構興味深い内容だった。(文:松本ミゾレ)

妻の「仕事が見つからないなら自分で仕事作れば」で奮起

まず、6年前に突如として23年勤務していた商社をリストラされてしまったHさん夫婦がVTRに登場。夫が、ある日突然に上司から「今日、明日中に会社を辞めるか派遣になるか決めてくれ」といわれたという。

妻は当然納得せず、夫と一緒に件の上司にそもそもどうしてリストラ話が急に持ち上がったのか。その説明を求めた。ところがこの上司もまた、リストラ対象になっていた。ううむ、凄まじい。ドラマのような話だ。

このとき夫は既に43歳。再就職先を探す際には、これまでの生活水準と収入を保つことを最低限の条件にしていた。しかし60社ほど検討しても、結局1社の面接を受けることもできなかった。厳しい。あまりに厳しい現実であった。

ただ、夫にとって幸いだったのは、このような状況下であっても妻の存在があったからだ。あるとき妻が夫に向かってこう言い放った。

「リストラされるあんたも悪いんじゃないの。(仕事が見つからないなら)だったら自分で仕事作れば?」

この言葉に奮起した夫は、長年の夢だった喫茶店経営のために勉強を開始。リストラから1年2ヵ月後には、群馬県高崎市に猫カフェをオープンしたのであった。

夫はサラリーマン時代に比べると収入は下がったものの、仕事をやっているという実感はあると話す。長年生活を共にしてきた伴侶の言葉が適切なら、窮地を乗り越える力になるという好例と言えるのではないだろうか。

リストラで傷ついた心に追い打ちをかけるような言葉は絶対ダメ!

Hさん夫妻のケースは、奥さんの言葉が起爆剤となって見事に生活を立ち直らせることに繋がった。言葉って本当に凄い力を持っている。けれど、力を持っているからこそ、使い道を誤れば状況の悪化を簡単に招くものでもある。

ここからは是非、働く夫を持つ奥様方にも読んでもらいたい。今このコラムを読んでいるそこのお父さん、このページを開いたまま目立つ場所に放置して、ちょっとタバコでも買いに出かけよう!

特集の後半では、リストラにあってしまった夫にかけてはいけない地雷ワード3つが紹介されている。1つ目が「本当に真面目に探してるの?」だ。

夫婦問題修復カウンセラーの鈴木あけみ氏は「リストラされた段階で傷ついたり、プレッシャーがかかっていると思うんです」と語る。その上で「ご主人のプライドを傷つけるような言葉は絶対NGです」と警鐘を鳴らす。

確かに、不惑を越えた年代に差し掛かってのリストラなんて、その時点でもうノックアウト寸前になるまでプライドを傷つけられているはず。奥さん、もしも旦那さんが同じような境遇に陥ったら、プライドを傷つけないように、再就職への気概を持つような言葉を選ぼう!

2つ目が「電話には出ないで! あなたが家にいるのがバレちゃうじゃない!」というもの。

痛烈だ。これは傷がつく。鈴木氏は「否定されたり心が傷つくような言葉を言われた、ご自身も立ち直れないでしょうし、この奥様に対してものすごくがっかりして夫婦関係にも影響する」とコメント。

日中に家にいることが周囲にバレたくないということは、つまりリストラされた夫の心情よりも世間体、それもご近所界隈という極めて小さなコミュニティでの評判を気にしているということ。

そんなのは些細なことであって、隠したってバレるときはバレてしまう。奥さん、リストラされた旦那さんのこと、座敷牢に閉じ込めるような窮屈な思いをさせちゃダメだからね!

そして最後が「こんなに頑張ってるんだから、もっといい会社に再就職できるわよ」というもの。一見すると元気付けているようにも思えるんだけど、「言葉によっては男性のプライドを逆に傷つけることもあると思います」と鈴木氏は待ったをかける。過剰な期待はプレッシャーになるというわけだ。

う~ん、分かるような気もする。けど、人によってはこの言葉で奮起することもあると思うので、この辺は夫の性格を酌んだ上で同じような趣旨のエールをかけるのはアリなような気も。僕がそういうタイプだし。まあ、僕サラリーマンじゃないけど……。

夫婦だけで頑張るのではなく行政の支援も検討を

さて、終盤ではリストラされた夫へのこころがけの言葉として、鈴木氏が挙げた幾つかの適切なワードが紹介された。ざっと挙げると以下のようになっている。

「この先のことをゆっくり2人で考えましょう」
「そんな急がなくていいから」
「どうにかなるわよ」

特に「どうにかなるわよ」は、窮地に陥った際に最愛の伴侶に言われると心強いに違いない! 実際、リストラされても生活レベルをガツンと下げれば生きていくことはできる。

特集の最後には、国民年金保険料の免除や住宅ローンの返済金額の見直し、大学生のお子さんがいる家庭の場合は緊急・応急採用の奨学金制度を利用することだってできるとの説明もあった。夫婦だけで頑張るのではなく、行政などしかるべき機関にも積極的に助けてもらうように働きかければ、きっと夫婦揃ってピンチは乗り越えることができるはずだ。

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