英AUTOSPORTが2週連続で開催されたシンガポールGPと日本GPを戦った全ドライバーを10点満点で評価した。2戦の中で3人のドライバーに満点が与えられ、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソも高得点の評価を受けた。
【第13戦シンガポールGP】最高評価ドライバーは……
2015年第13戦シンガポールGPでは優勝したセバスチャン・ベッテルと2位のダニエル・リカルドが最高得点である満点を獲得した。
フェラーリのベッテルはシンガポールでポール・トゥ・フィニッシュを飾った。
「ベッテルはこのサーキットを本当に得意としている。彼のドライビングスタイルがこのサーキットに合っているのだろう」と寸評には記されている。
「金曜にはマシンにあまり満足していなかったベッテルだが、セットアップ変更により土曜には調子を上げ、FP3と予選では圧倒的強さを見せた」
「Q3最後のラップは特に見応えがあった。それに比べるとレースではそこまで強かったとはいえず、リカルドに攻め立てられたが、常に状況をコントロールして走っていた。最高のベッテルを見ることができた」
レッドブルのリカルドは予選2位から決勝2位を勝ち取った。
「RB11はシルバーストン以来、順調に進歩している。リカルドも以前よりいい走りができるようになってきており、フラストレーションも比較的少なくなっているようだ」
「レッドブルのマシンにはフェラーリほどの強さはなかったが、リカルドは見事な予選ラップで2台のフェラーリの間に割って入り、決勝ではベッテルに戦いを挑んだ。今回もリカルドのパフォーマンスは素晴らしく、ベッテルを大いに苦しめた」
【第13戦シンガポールGP】マクラーレン・ホンダ勢への評価
マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソはシンガポールGPで12番グリッドからスタート、ギヤボックストラブルでリタイアを喫した。しかし得意のシンガポールで見事なパフォーマンスを見せたとして9点と高い評価が与えられている。
「ベッテル同様、アロンソもこのコースを非常に得意としている。週末を通してチームメイトよりも明らかに速かった」
「MP4-30のパフォーマンスはモンツァよりは間違いなくよかった。予選ではバトンに0.691秒の差をつけ、フォース・インディア勢の間に割って入った」
「決勝序盤は(セルジオ・)ペレスを追いかけ、最初のピットストップの後には(カルロス・)サインツJr.と戦い、入賞圏内を走っていたが、ギヤボックスの故障によりレースを終えた」
バトンは15番グリッドからスタート、アロンソと同様ギヤボックストラブルに見舞われ完走を果たせなかった。バトンは6点の評価だった。
「バトンは予選ではブレーキの温度が上がったことが不利につながったと説明している。タイヤの挙動を読むことができず、アンダーステアに苦しんでいた」
「決勝スタートはよくなく、1周目に2台のザウバーの後ろに下がり、最初のピットストップで右フロントのホイールナットの問題で35秒をロスした」
「ペースは悪くなかったが、2回目のリスタートの後に(パストール・)マルドナドとの接触で1ポイント獲得の可能性が遠ざかり、最終的にはギヤボックストラブルで完全にチャンスを失った」
【第14戦日本GP】最高評価ドライバーは……
続く日本GPでは10点が2番グリッドからスタートして優勝したメルセデスのルイス・ハミルトンに与えられた。
「ハミルトンは鈴鹿を100パーセント快適に走れたことがないと認めている。しかし予選で(ダニール・)クビアトの派手なクラッシュによりアタックを諦めずに済んでいればポールを獲得できたと考えている」
「チームメイトの(ニコ・)ロズベルグがポールポジションにつき、ハミルトンは2番グリッドからどうすれば勝利を引き寄せられるか確信を持てずにいたと言うが、好スタートを見せてターン2でトップに立った。決勝では、途中エンジンにオーバーヒートの症状があったものの、他を寄せ付けない速さを見せた。シンガポールの不調の後だけにこの勝利は励みになるだろう」
【第14戦日本GP】マクラーレン・ホンダ勢への評価
鈴鹿でマクラーレン・ホンダは苦しみ、アロンソは12番グリッドから11位、バトンは14番グリッドから16位という結果だった。
アロンソは今のマシンで最大限の結果を出したとして9点の評価が与えられている。
「Q2のラップは今まで鈴鹿で走った中でのベストであり、新品タイヤを100セット使ったとしても同じタイムは出せないとまでアロンソは言った。それでもタイムシート上は14位どまりというのが非常に残念だ」
「決勝ではいつもどおり見事な走りを見せた。自分のマシンには他のマシンと戦えるだけの力がないとアロンソは苛立ちを示していたが、彼の今のマシンではこれ以上の仕事をするのは不可能だった」
バトンの評価は7点だった。
「Q1最初のランではチームからの指示がなかったために適切なエンジンセッティングで走れなかった。Q1終盤にヘアピンで(マックス・)フェルスタッペンがマシンを止め、イエローが出た影響を受けてバトンは敗退した」
「決勝はプライムタイヤでいいスタートを切り、アロンソについていったが、最後のピットストップの際に十分なギャップを築けなかったためにエリクソンに前に出られてしまい、ザウバーに押さえられる結果となった」
英AUTOSPORTによる2015年第13戦シンガポールGP/第14戦日本GPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。
■メルセデス
ルイス・ハミルトン:7点/10点
ニコ・ロズベルグ:6点/7点
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド:10点/7点
ダニール・クビアト:7点/5点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:6点/6点
バルテリ・ボッタス:8点/7点
■フェラーリ
セバスチャン・ベッテル:10点/8点
キミ・ライコネン:6点/7点
■マクラーレン
フェルナンド・アロンソ:9点/9点
ジェンソン・バトン:6点/7点
■フォース・インディア
ニコ・ヒュルケンベルグ:5点/8点
セルジオ・ペレス:7点/8点
■トロロッソ
マックス・フェルスタッペン:8点/7点
カルロス・サインツJr.:6点/6点
■ロータス
ロマン・グロージャン:7点/8点
パストール・マルドナド:5点/7点
■マノー・マルシャ
ウィル・スティーブンス:5点/6点
アレクサンダー・ロッシ:8点/7点
■ザウバー
マーカス・エリクソン:6点/6点
フェリペ・ナッセ:7点/5点