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『コウノドリ』『オトナ女子』『おかしの家』・・・・・・この秋スタートする連続ドラマへの期待

2015年10月03日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『コウノドリ』公式サイト

 早いもので、もう10月。そろそろ秋クールのドラマの予告編もスタートし、その内容が分かってきた頃。さて、今クールは、何を観ましょうか? ということで、ここではこの秋注目のドラマを、独断と偏見のもと、いくつかピックアップして紹介していきたいと思います。


参考:本田翼は棒ではない、真っ白なキャンバスなのだ 『恋仲』をめぐる通説批判


 まずはやはり、10月16日(金)22時からスタートする『コウノドリ』(TBS)でしょう。意外にも今回が連続ドラマ初主演となる綾野剛が、産婦人科医/謎の天才ピアニスト・鴻鳥サクラを演じる、医療系ヒューマン・ドラマです。原作は、鈴ノ木ユウの同名漫画(週刊『モーニング』(講談社)で連載中)。髪型を漫画に寄せるなど、気合い十分の綾野はもちろん、その部下である新人産科医役を松岡茉優が、サクラの同期でありライバルでもある産科医役を星野源が演じるほか、大森南朋、吉田羊らが脇を支えるなど、キャスティングも盤石の布陣です。『ゲゲゲの女房』(2010年)、『八重の桜』(2013年)などNHK作品で知られる脚本家・山本むつみが、この人気漫画をどのように連続ドラマ化していくのか、非常に気になるところです。


 同じく、漫画原作ものとしては、12日(月)21時からスタートする石原さとみ、山下智久主演の「月9」ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ)も、気になるところです。月刊『Cheese!』(小学館)で連載中の相原実貴による人気漫画『5時から9時まで』を原作とする本作。前クールの『恋仲』で純愛路線に戻したようにも思える「月9」枠ですが、「東京版『セックス・アンド・ザ・シティ』⁉︎」という謳い文句の漫画のドラマ化だけに、やはりそれなりのシーンも用意されているのでしょうか。現在乗りに乗っている石原さとみの体当たり演技に期待します。それにしても、この『5→9』というタイトルは、果たしてアリなのでしょうか。


 さらに、漫画原作と言えば、窪田正孝の熱演が話題となった『デスノート』と同枠で、『エンジェル・ハート』(11日(日)22時30分~/日テレ)がスタートします。『キャッツ・アイ』、『シティーハンター』などで知られる北条司の人気漫画を実写ドラマ化する本作。“シティーハンター”冴羽獠役を上川隆也が演じることはもとより、その実質的な主人公・香瑩(シャンイン)役を、連ドラ初ヒロインとなる三吉彩花が演じることにも注目です。根強いファンのいる漫画だけに、その仕上がりには賛否両論、さまざまな意見が噴出することでしょうが、前クールの『デスノート』がそうであったように、それを覆すパンチ力のある展開を期待します。


 漫画原作が続きましたが、テレビドラマの王道と言えば、やはり人気脚本家によるオリジナル作品です。たとえば、7日(水)22時よりスタートする『偽装の夫婦』(日テレ)。これは、『女王の教室』(2005年)や『家政婦のミタ』(2011年)など、数々のヒット作を生み出してきた脚本家・遊川和彦が、久しぶりに天海祐希とタッグを組むことで話題のドラマです。固く心を閉ざした人嫌いの主人公(天海祐希)が、とある事情によって、かつて愛した男(沢村一樹)と「偽装結婚」する……そんなトリッキーな物語。何かと物議を醸すことの多い遊川作品ですが、柴咲コウが主演した1月期の『○○妻』の評判が必ずしも芳しいものではなかっただけに、ここらでひとつ再起を願いたいものです。


 篠原涼子が2年半ぶりの連ドラ主演を果たす『オトナ女子』(15日(木)22時~/フジテレビ)。このドラマの脚本を手掛けるのは、『結婚できない男』(2006年)や『梅ちゃん先生』(2012年)などで知られる脚本家・尾崎将也です。主演の篠原をはじめ、吉瀬美智子、鈴木砂羽ら、アラフォー女子で固められたキャスト陣は、本作でどんなドタバタ劇を披露してくれるのでしょうか。しかし、“オトナ女子”というタイトルは……こちらも何かと物議を醸す作品になりそうです。そう、物議と言えば、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年)のセンセーションも記憶に新しい脚本家・井上由美子が、「遺産相続」をテーマに描くオリジナル作『遺産争続』(22日(木)21時~/テレ朝)というのもあります。向井理と榮倉奈々演じる新婚夫婦を取り囲む、金の亡者たる親類縁者たち……家族は支え合うものから争うものへ。何やら怖そうなドラマですね。


 そのほか気になるものとしては、錦戸亮が現代にタイムスリップしてきた武市半平太を演じる『サムライせんせい』(23日(金)23時15分~/テレ朝)。ちょんまげ姿の錦戸亮と言えば、『ちょんまげぷりん』(2010年/監督:中村義洋)が即座に思い起こされますが、今回もまた大胆な設定が目を引くドラマだけに、そのユーモアとシリアスのバランス感が、きっと鍵となることでしょう。それにしても、錦戸君はちょんまげ姿が似合いますね。ちなみに、ジャニーズ主演作品としては、Kis-My-Ft2の玉森裕太が主演する『青春ハレルヤ~大人の悪を許さない!~』(10月15日(木)23時59分~/日テレ)にも注目が集まっているようです。そして、EXILEのHIROが企画・プロデュースするドラマ『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』(21日(水)25時29分~/日テレ)も見逃せません。こちらも何かと話題になりそうです。EXILEらの所属事務所であるLDHと日本テレビがタッグを組んだ、総合エンタテインメント・プロジェクト「HiGH & LOW」の第一弾作品となる本作は、来年7月公開の映画を軸として、今後さまざまなメディア・コンテンツが連動していく予定とのことですが、いったいどうなることでしょう。


 ところで最後、個人的に最も注目しているドラマを一本、ご紹介いたします。TBSが新設する新しいドラマ枠「水ドラ‼︎」で放送される、オダギリジョー主演、尾野真千子、勝地涼、八千草薫共演のドラマ『おかしの家』(21日(水)23時53分からスタート/TBS)です。キャストの豪華さはもちろん、『舟を編む』(2013年)、『ぼくたちの家族』(2014年)などで知られる映画監督・石井裕也が、自ら脚本・演出を手がける作品として、本作は大きな注目を集めています。東京の下町にある小さな駄菓子屋で繰り広げられる人間模様を描くというその内容もさることながら、「これ、ほとんど映画じゃないの?」というキャスティング&スタッフィングに、早くも期待が募ります。


 とまあ、いろいろ書き連ねてきましたが、実際問題フタを開けてみるまで分からないのが連続ドラマの醍醐味だったりもします。気になるものは随時フォローしていくつもりなので、そちらのほうもお楽しみに。(麦倉正樹)