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福満しげゆき原作のカニバリズム映画『フリーキッチン』劇場公開

2015年10月02日 20:40  CINRA.NET

CINRA.NET

『フリーキッチン』 ©FUZZ FILM WORKS
映画『フリーキッチン』が11月28日から東京・渋谷のユーロスペースで公開される。

同作は、『僕の小規模な失敗』『うちの妻ってどうでしょう?』『就職難!! ゾンビ取りガール』などの作品で知られる漫画家の福満しげゆきが、1997年に発表したデビュー作『娘味』をもとにした作品。幼い頃に父とその愛人を殺して「料理」して以来、日常的に人間を捕まえて人肉料理を食卓に出すようになった母と暮らす高校生のミツオを主人公に、異常な環境から抜け出したいと願いながらも母を拒めずにいるミツオの葛藤や、ペットショップの店員・カナとの純愛が描かれる。

幼い頃から人肉料理を食べ続け、その肉を食しただけで性別や年齢がわかるようになったミツオを演じるのは、オーディションで選出された森田桐矢。ミツオが惹かれるカナ役を大貫真代、母親役を元毛皮族の延増静美が演じる。

メガホンを取ったのは同作が劇場デビュー作となる中村研太郎。『フリーキッチン』は、中村監督が2000年に製作・監督した短編を劇場用長編映画としてリメイクした作品だ。撮影は『極道大戦争』『映画 みんな!エスパーだよ!』などの神田創が担当している。

■中村研太郎監督のコメント
原作「娘味」はカニバリズムをベースにした突拍子も無いグロテスクなテーマにもかかわらずおかしみも混在する不思議な作品でした。当初脚本を書く時、原作よりもっと世界も膨らませ、刑事が登場したりもっとエンターテインメント性を重視した内容にする選択肢も勿論ありましたが、そうせずに狭い世界の中でできるだけ様々な要素を盛り込まず、最初自分が原作を読んで感じた怖さとおかしさが伝わるようにシンプルに作る事にしました。
そしてホラー映画のような音楽や大げさな効果音などの演出は極力排除し、母親と息子の異常な日常をどこにでもある日常の生活としてできるだけ描いています。
カニバリズムを日常としている登場人物達は異常な設定ですが、子離れや親離れ、イジメ、そして主人公の少年の成長を描いたホームドラマとして観ていただければよいかと思います。

■福満しげゆきのコメント
「この原作のイメージの再現率の高さはなんだ!!」と驚きましたし!
原作の矛盾や荒いところをカチッと完璧に埋めてくれていますし!
そして「なんであんな変な原作を完璧に映画化してくれんだ!?この監督さんは何を考えているんだ!?」と不安にもなりました!!