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【小町の法律相談】解約告げたのに10年続く「エステ」支払い督促、どうすれば?

2015年10月02日 11:31  弁護士ドットコム

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(この質問は、「Yomiuri Online」の人気企画「発言小町」に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです)


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10年以上前にしつこい勧誘に負けて契約してしまったエステのローン。いまだに支払いの督促が来るそうです。どう対処すればいいのでしょうか。鈴木義仁弁護士に聞きました。



Q. 「解約を告げて1度も利用せず・・・エステのローンは返済すべきですか?」


10年以上前のことです。エステの体験に行ったところ、非常にしつこい勧誘にあい、入会契約をしてしまいました。その後、思い直してエステ会社に「解約したい」と連絡したのですが、応じてもらえませんでした。


ローンの申し込み書類などは破棄し、エステは1度も利用していません。エステ会社には、押印のないローン契約書のコピーがあるだけだと記憶しています。


ところが、いまだに時々、支払いを催促する手紙が送られてきます。最近では、弁護士名で「利子分はまけるから◯万円支払え」といった内容になってきました。


やはりこれは支払いしなくてはいけないものでしょうか?


(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです。※トピ「これは支払わなければいけないでしょうか?」はこちらhttp://komachi.yomiuri.co.jp/t/2015/0828/727612.htm)


A. 「時効の主張やクーリングオフができそうです」


エステ会社からの請求なのか、ローン会社からの請求なのかが不明ですが、10年以上前の契約ということですから、エステとの契約が成立していたとしても、その間に、裁判で支払えというような判決が出ていないのであれば、すでに消滅時効(この場合は、5年と考えられそうです)が完成している可能性があります。


ローン会社との契約が成立していた場合でも、同様です。また、ローン契約書のコピーだけしかもらっていないとすると、特定商取引法で定めている「書面」の交付がなされていない可能性があるので、現時点で改めてクーリングオフ(無条件解約)をすることもできそうです。


ですので、請求してきている相手側に対し、消滅時効を援用(消滅時効が完成しているから時効を主張する)するという書面を出せば、支払義務を負わないことになります。今回のケースでは、改めてクーリングオフの通知を出すまでもないでしょう。




【取材協力弁護士】
鈴木 義仁(すずき・よしひと)弁護士
神奈川大学大学院法務研究科教授。横浜市消費生活審議会会長。著書に「悪徳商法にご用心」(共著:日本評論社)、「訴える側の株主代表訴訟」(共著:民事法研究会)「くらしの法律相談ハンドブック(共著:旬報社)」
事務所名:鈴木法律事務所