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マイナンバー導入は「公平・公正な社会実現にもつながる」

2015年10月01日 20:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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11月にかけて国民ひとりひとりに“マイナンバー”の記載された通知が届けられる。着々と準備が進んでいるようだけど、そもそもマイナンバーとはいったい何? 「住民票のある人すべてに割り振られる12ケタの個人番号のことです。私たち国民の情報は行政機関ごとにバラバラの数字を振って管理していましたが、マイナンバー制度の導入によって、共通の個人番号に統一されます」(共通番号制度に詳しい富士通総研の榎並利博さん) 来年1月のマイナンバー制度開始時、まずは“社会保障”“税金”“災害対策”の3分野だけで個人番号が利用される。 「個人の行政情報を1つの番号でひも付けて管理できるようになり、本人特定が正確かつ容易に行えるようになります。これによって行政情報の照合、転記や入力などの作業が正確かつスムーズに行えるようになる。ムダがなくなることで、相当な経費の削減になるでしょう」(榎並さん) 制度の目的は、このような“行政の効率化”のほか、“公平・公正な社会実現”“国民の利便性”の3つが挙げられている。 「本人確認が正確かつ容易に行えることは、“公平・公正な社会実現”にもつながります」(榎並さん) 公的な社会保障の分野では、本人確認のミスが原因で年金が受け取れないなどの問題が発生していた。 「行政機関と企業が社員の厚生年金のやりとりを行う場合、基礎年金番号がわからないと、氏名を照合する作業をしなければなりません。ですが、両者で扱っているパソコンの漢字コードの互換性がないと、プリントアウトして目で氏名を確認しながら本人確認を行います」(榎並さん) この“名寄せ”と呼ばれる作業が、途方もない負担となっていた。 「例えば、サイトウさんのサイという漢字ひとつをとっても、“斉”“齋”“斎”……。何十種類もの漢字が存在します。行政は、この漢字ひとつひとつを細かく照らし合わせていくという気の遠くなるようなことをしているのです。 行政の現場では、あらゆるところで似たような作業を行っていますが、負担の大きさはもちろん、膨大な目視での確認からミスが起こってしまうのは必然といえる状況です」(榎並さん) 個人を正確に特定できる個人番号があれば、本人確認を瞬時かつ正確に行うことができる。作業が円滑になって、ミスもほとんどなくなるという。 「また健康保険証には顔写真が入っていないため、年齢が近い人なら使いまわして、保険料を支払わずに受診することができてしまっていました。個人番号と健康保険証がひも付けされるようになれば、容易に本人特定ができるので、こうした犯罪は一気に撲滅されるでしょう。 今の日本は、不正し放題。まじめな人が損をする社会になっています。マイナンバーの目的のひとつである“公正・公平な社会を実現する”ためにも、必須の制度でしょう」(榎並さん)