マクラーレン・ホンダが、1日、2016年のジェンソン・バトン残留を正式に発表した。
シンガポールGPで「もはやF1を楽しめない」とバトンが発言したことから、日本GPで引退発表濃厚とまで報道された。しかしその後、CEOロン・デニスがバトンを来年走らせると発言しており、1日、チームは正式にこれを認める声明を発表した。
「ジェンソンとはこの数週間、彼のプランについて非公式に話し合いを行っていた」とデニス。
「その話し合いが今日の発表につながったことは、両者にとって非常に喜ばしい。マクラーレン・ホンダの全員が喜び、モチベーションがさらに高まるはずだ」
今年の低迷が経済的損失につながることが避けられないマクラーレンは、バトンとの契約金を引き下げようとしているのではないかとも考えられていたが、デニスは、昨年契約を結んだ際の条件に基づいてバトンを走らせると明言した。
「この問題について聞かれるたびに、私が明らかにしてきたのは、ジェンソンの契約期間は2年(2015年と2016年)だということだった。1年後にこれを終了させるオプションは存在し、マクラーレンがそれを行使したければそれができる状況だった。しかしジェンソンとたくさんの会話を重ねることで、彼がこれまでと変わらない情熱を持ち合わせており、強いやる気を持ち、集中しているということがはっきりしたので、そのオプションを行使するのは見当違いであると考えた」
「そのため、1年前に2年契約で合意した際の条件の下で、ジェンソンは来年マクラーレン・ホンダでレースをする」
「繰り返しになるが、私は非常に喜んでいる。ジェンソンは現在F1において最も経験豊富なドライバーであり、来年はGPでの300戦を超えてF1史上3人目(ルーベンス・バリチェロ、ミハエル・シューマッハーに次ぐ)のキャリアのドライバーになる。その経験によって彼は我々チームにとっての非常に貴重な財産となっており、21世紀のF1ドライバーの技という意味であらゆる面でエキスパートといえる存在だ。その上彼は体力的なコンディションも極めてよく、今までと変わることない速さを持ち合わせている」
日本GPではリザーブドライバーのケビン・マグヌッセンがイベントに参加する予定だったが、急きょこれがキャンセルされている。バトンの後任候補と言われてきた彼はすでにマクラーレンとの契約から外れたともいわれており、その時点でバトンの残留がほぼ決定していたと考えられる。
マクラーレンがバトンとの契約のオプションを行使する期限は9月末だといわれていた。