マクラーレン・ホンダにとって大口のスポンサーとなる「CHANDON(シャンドン)」とのオフィシャル・パートナー契約が30日、チームから発表された。
この日、マクラーレンはイギリス・ウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)で、『CHANDON』のロゴを掲げたMP4-30をお披露目、会長のロン・デニスとモエ・ヘネシーの会長兼CEOであるクリストフ・ナバールが契約書にサインをした。
この提携に関する具体的な契約期間などは明らかにされていないが、チーム発行のリリースには、「モエ・ヘネシーが、シャンドンとの無類かつ長期的なパートナーシップを通してマクラーレン・ホンダ・チームに加わることを選んだことは、非常にエキサインティングなことだ」とのデニスのコメントが記されている。
また、リリースと共に発行された写真には、コクピット両脇に比較的大きな形でそのロゴが掲げられているほか、レーシングディレクターのエリック・ブーリエが投稿したツイートには、胸に大きく『CHANDON』のロゴがはいったレーシングスーツをまとうジェンソン・バトンの姿もある。こうしたことから、今回の契約がチームにとって比較的大きなものであることが推測される。
ただし、今回シャンドンのロゴが掲げられたスペースは、先週末の日本GPまでジョニー・ウォーカーのロゴが掲げられていたスペース。写真では、そのままシャンドンのロゴに取って代わられ、ジョニー・ウォーカーのロゴはかろうじてミラーに残っているのが分かる。
高級スパークリングワインのシャンドンは、フランスを中心とする企業体、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのワインおよびスピリッツ部門を担うモエ・ヘネシーが傘下に収めるモエ・エ・シャンドンのブランド。一方、ジョニー・ウォーカーを傘下に収める英ディアジオは、同グループの株式34パーセントを保有しているため、今回の契約が当初ディアジオと結んでいた契約の一部またはそれに絡むものなのか、まったく別の案件で新たにチームの予算を潤すものなのかは定かではない。
マクラーレンは2014年以来タイトルスポンサーを持たないままF1活動を行っている。仮に現在のコンストラクターズ選手権9位で今季を終えれば、昨年のプライズマネーより1,500万ドル(約18億円)の減となる。
ブーリエも、今季の低迷が大きな経済的な打撃につながる可能性を認めており、現在マクラーレンをスポンサードするジョニー・ウォーカーやサンタンデールが今季いっぱいでチームの支援から手を引くとの報道も以前からなされている。
マクラーレンとシャンドンの提携は、2016年から正式にスタートする。