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亀田兄弟、JBC職員に勝訴、代理人の北村晴男弁護士「虚偽事実の公表、許されない」

2015年09月30日 19:51  弁護士ドットコム

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日本のプロボクシングを統括するJBC(日本ボクシングコミッション)の職員が、亀田興毅・和毅両選手らに監禁・恫喝されたとして、両選手らを訴え、逆に亀田選手側も「名誉を傷つけられた」として職員に慰謝料を求めていた裁判の判決が9月30日、東京地裁であった。


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倉地真寿美裁判長は「(両選手らが)強要、監禁、どうかつ及び暴行というべき違法行為に及んだとの事実は認められない」としてJBC職員の訴えを退け、亀田選手側が求めた慰謝料のうち320万円を認める判決を下した。



亀田選手たちの代理人をつとめる北村晴男弁護士は東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、テレビ出演時と変わらない落ち着いた口調で、勝訴判決の内容を報告。「虚偽の事実を公表して、2人のプロボクサーを社会的に抹殺しようとする行為は、到底許されない」「亀田選手らは、今回の事件で、莫大な経済的損害を被っている」と強調した。



●JBC職員に320万円の賠償命令


裁判で争点となっていたのは、2013年9月3日に行われた亀田大毅選手のIBFスーパーフライ級世界タイトルマッチの直前に、試合で使用するグローブを巡る話し合いで、興毅選手らがJBC職員を監禁・恫喝したかどうかだった。



裁判で決定的に重要な役割を果たしたのが、この話し合いの様子を撮影した「ビデオ」の存在だった。



判決は、このビデオをもとに、亀田選手側が「終始敬語を用いて発言しており、大声を出したり凄んでみせるなどの言動はない」などとして、違法行為はなかったと認定した。



一方、JBC職員が知人ジャーナリストに虚偽の情報提供をし、個人のブログに記事を書かせたり、記者会見を開いて監禁・恫喝を前提とする発言をしたりしたことが、亀田選手らの名誉を傷つけたと認定。JBC職員に対し、亀田興毅選手ら4人に合計320万円の慰謝料を支払うよう命じた。



北村弁護士によると、今回の訴訟は、「速やかに両選手らの名誉を回復するため」に、名誉毀損による精神的損害部分についてのみ、賠償請求を行ったという。なお、記事を書いたジャーナリストについても、名誉毀損による損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こしているという。


(弁護士ドットコムニュース)