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安倍首相、安保法案成立直後のゴルフバカンスで見せた”余裕”

2015年09月30日 19:40  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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安保関連法が成立した後も、国会前や各地で反対デモが続いている。モチベーションは下がっていないという。安倍首相は目の前の反対意見にすら耳を貸さず、ゴルフ場に直行した。丁寧に説明すると言いながら、ゴルフの後回しでは誠実さを欠く。 「ナイスショット」 と安倍首相のプレーに賛辞が送られたかどうかに興味はない。安保関連法を19日に成立させた安倍首相は、その日のうちに別荘のある山梨県鳴沢村へ。これだけ国民の反発が強いにもかかわらず、3泊4日のバカンスを楽しんだ。 成立後も反対デモは各地で継続中。デモ参加者は首相の行動をどう見たか。シルバーウイーク最後の祝日である23日、国会議事堂前で聞いた。 「悠然とした態度が憎らしい」と話すのは、埼玉県川口市のダンスドレス・メーカー社長兼デザイナーの大路渥子さん(76)。 「法案成立の喜びが感じられて悔しい。祖父・岸信介元首相のお墓参りをして、墓前に法案成立を報告したと報じられました。本当は何を報告したのか、わからないから怖い」 と改憲の動きが加速することを心配する。 そばで同市の会社員・服部考志さん(59)は、国会前を通過する2階建て観光バスの乗客に向けて「9条こわすな」のボードを掲げた。 「こうやると、バスの乗客が手を振ってくれる。安保関連法が廃止されるまで意思表示し続けたい。ゴルフも結構だけれど、安倍首相は1回ぐらい自分の耳で反対意見を聞いてくれればと思う」 東京都練馬区の主婦・千野律子さん(64)は、高1、中2、2歳の男の子の孫を持つ。 「孫が戦場に行かされるんじゃないか。ソロモン諸島で戦死した母方の祖父の遺品は、石ころ1つだった。母は昨年84歳で病死するまで、ずっと祖父が死んだことを信じられずに生きてきたんです」 安倍首相は、こうした真摯な気持ちに向き合おうとせず、山梨では行きつけの料理店で舌つづみを打った。 19日は完全個室制で地元食材にこだわる日本料理の名店『忍野八洲』へ。翌20日は地元で有名なハンバーガー専門店『ムースヒルズバーガー』を訪ねた。首相は看板メニュー「アボカドチーズバーガー」(1330円)がお気に入り。バンズをはずしケチャップとマスタードをたっぷり。店側は閉店時間を切り上げ、貸し切りVIP待遇だった。 21日は、先月も行った中華料理店『異彩中国菜館 湖宮』へ。銀座のフレンチや赤坂の上海料理店で修業を積んだ一流シェフが腕をふるい、ワイン200種類以上を常備。昨年は7回以上訪れている。 先週末の25日夜、首相官邸前では「原発再稼働反対」「戦争法反対」の声が響いた。東京都豊島区の大石朝吉さん(66)・よしこさん(67)夫妻は憤る。 「ゴルフは許せないです。大事なときに……。目の前の国民の声に耳を傾けないなんて、もう独裁が始まっているのかなと感じます。法案が成立したとたん、ポイッと遊びに行ってしまった」とよしこさん。 東京都中央区の藤森光子さん(65)は、孫に「ばあちゃんはあのとき、あなたたちのことを考えてこう動いた」と言える自分でありたいという。 「このままでは孫に未来を渡せない。政治に民意が全然反映されていないですよね、こんなに反対の声があるのに。安倍首相が大切にしているのは強い国と金持ちだけ」 国民の怒りの炎に油をそそいだ首相。ゴルフのスコアはどうであれ、“ファ~(危険球を打ったときのかけ声)”な行動だったのは間違いない。