シンガポールGPとの2週間連続開催となった今年のF1日本GP。マリーナベイで新しいノーズとフロントウイングを採用したザウバーは、今回も同じ空力パッケージで鈴鹿に挑んでいる。これはザウバーに限らず、ほかのチームにも言えることで、2週連続開催の場合、2週目に新しいパーツを投入することはほとんどない。
ところが、メルセデスAMGは鈴鹿に新しい空力パーツを投入してきた。パディ・ロウによれば、「これはシンガポールGPの結果とは関係ない。鈴鹿で投入するよう、初めから計画されていたプラン」だという。
メルセデスAMGの新しいリヤウイングは、フラップ自体は鈴鹿と似たコース特性を持つシルバーストンで使用したのと同様、ミディアム・ダウンフォース仕様だが、今回はそれに新しい翼端板を組み合わせたパッケージとなっている。これまでもメルセデスAMGの翼端板には、前方下部(矢印の元の部分)にスリットが入っていたが、そのスリットがメインフラップ直前まで上へ伸びてスリットが長くなったのである(矢印の先の部分)。
この新しいリヤウイングを搭載したメルセデスAMG「W06 Hybrid」は、不調に終わった前戦シンガポールGPから立ち直り、日本GPの予選でフロントロウを独占。決勝でも1-2フィニッシュを飾った。
(尾張正博)