もはや日常生活に欠かせない存在となったコンビニ。バイトの人気も高く、タウンワークの調査によると、高校生の初めてのバイト先としては1位にランクインしている。
そうした中、9月26日、20年以上前にコンビニでバイトをしていたという人がツイッターで、自分が勤務していた頃より業務が増えたにもかかわらず、時給が変わっていないと指摘。「便利さがどんどん向上するかたちで、現場の業務負担だけが増えていった気がするんです」と疑問を呈している。
地域によっては「最低賃金に毛が生えた程度」
投稿者は1990年頃、都内のコンビニでアルバイトをしており、時給は深夜帯で900円ほどだったという。当時はまだ揚げ物などのホットスナックが商品としてなかったものの、「仕事はきつかったですよ」と振り返る。
ただ、当時のレジは現金払いしかなかったが、現在はクレジットカードや交通系ICカードなどで業務が複雑化しているとし、「いまのレジ負担半端ないぜあれ」と語る。
確かに年々、コンビニの業務は多様化してきている。帝京平成大の須藤繁教授と御茶の水女子大学大学院の増田優教授による論文によると、1987年に電力料金の代行サービス、1988年に宅配便の取次がスタート。さらに1996年にはチケット発券サービス、2013年に住民票の発行が始まるなど、業務は多岐に渡っていく。そういったサービスの導入もあってか、コンビニ業界の年間売上は1990年は2兆7千億円だったのに対し、2011年以降は8兆円を超えるようになった。
最近では、さらにコンビニが高齢者の見守りなど、地域の支援活動にも取り組みつつある。確実に覚えるべきことが増えているため、投稿者の意見に賛同し、
「コンビニの担っている役割を考えれば、働いてる人を公務員にするべき、な仕事量だとは思いますね」
「コンビニ、業務キツイわりに最低賃金に毛が生えた程度なのほんと納得できない。勿論深夜の手当てとかあるけど。それにしたって安すぎるよ」
といった意見があがっていた。
一応、最低賃金分は上昇しているけど……
では、実際に時給は上がっていないのだろうか。リクルートジョブズのアルバイト・パート募集時平均時給調査(2015年8月度)によると、首都圏のコンビニアルバイトの平均時給は931円となっている。ただ、ネットで求人情報を見ると、人出の確保が難しい都心部の店舗では、日勤で1100円出すところもあるようだ。
投稿者が働いていた1990年当時、夜勤の時給が900円だったというから、日勤だと720円前後というところだろうか。そのときから現在までに約380円アップしていることになる。ちなみに、東京都の最低賃金は1990年の548円から340円上がって2015年現在は888円。コンビニバイトは少なくとも、最低賃金分は上昇したようだ。
ただ、それでも業務量の割に給料が安い、という認識は変わらないようだ。都心部はともかく、地方では依然として最低賃金とそれほど変わらない店舗もある。 例えば大分県の最低賃金は664円だが、コンビニの求人を見ると677円の店舗もあった。
そのためツイッターでは、「コンビニは時給安すぎるのに仕事つらいから、みんなコンビニなんかで働くのやめて、コンビニさんサイドを焦らせて時給をあげさせるべき」といった投稿が寄せられていた。
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