フランスの大手自動車メーカー、ルノーがF1にワークス復帰することを決断した。28日、同社はロータスF1チームの現オーナーと買収に関する基本合意書に同意したことを正式に発表した。
現在、F1でレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソにパワーユニットを供給しているルノーは、今年に入り、来シーズン以降の活動計画を具体的に見直す方針を明らかにしていた。
彼らは、今後もパワーユニット・サプライヤーとしての活動を継続するか、フェラーリやメルセデスのように純ワークスチームとして復帰するか、F1から完全撤退するかという3つの案を検討してきたが、最近ルノーを率いるカルロス・ゴーンが、レッドブルとの契約を継続しないと発言、2016年末まで有効だった契約期間の見直しについても交渉していることを認めた。
ルノーは今回の基本合意で、ロータスF1チームの株式65パーセントを取得し、2010年以来となるフルコンストラクターとしてのF1復帰を確実なものとした。
「ルノー・グループとジニー・キャピタルの関連会社であるグラビティ・モータースポーツS.a.r.l.は、ルノーによるロータスF1チーム社の経営支配権の取得に関する基本合意書への同意を発表でき、うれしく思っている」
「この基本合意書は、2016年のレースシーズンからルノー・フォーミュラ1チームのプロジェクトの第一歩を記すものであり、それによって世界有数のモータースポーツ選手権へのブランドの関与を38年に拡大するものである」
「すべての条件が彼らと他の利害関係者との間で満たされれば、ルノー・グループとグラビティは、この初期の事業を最終的な業務へと発展させるために今後数週間にわたって共に働いていく」
現在、深刻な財政難に陥っているロータスは、英国歳入税関庁(HMRC)への税金未払いなど多数の負債を抱えており、週末の日本GPでもホスピタリティの使用料を払うことができず、利用できなかった。
2016年のドライバーについては、今月21日にチームがパストール・マルドナドの契約延長を発表。彼を支援するベネズエラの国営石油企業PDVSAからも5000万ドル(約60億円)の財政支援を引き続き受けるとみられている。
しかし、当初はエースドライバーとしての残留が濃厚だったフランス人ドライバーのロマン・グロージャンは、来季フェラーリの“開発チーム”として新規参戦するアメリカのハースF1チームへの移籍が取り沙汰されており、29日(火)に行われる同チームの記者会見で正式に発表されると報じられている。
なお新生ルノーF1には、スーパーバイザー的な存在として、フランス人ドライバーとして4度のF1チャンピオンに輝いたアラン・プロストの加入も決まっている。