2015年F1第14戦日本GPは27日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで53周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今季8勝目となる通算41回目のトップチェッカーを受けた。
今年、7年ぶりにF1に復帰したホンダの母国レース、また1980年代後半から90年代前半にかけてF1を席巻した“マクラーレン・ホンダ”が23年ぶりに鈴鹿に挑むなど、例年以上に注目が集まった今年の日本GP。鈴鹿初の9月開催となった日曜の決勝は、王者ハミルトンがいきなり訪れたチームメイト対決を制して鈴鹿連覇を達成した。
レースは、スタートで鋭い加速をみせた2番グリッドのハミルトンが1、2コーナーでポールシッターのニコ・ロズベルグとのサイド・バイ・サイドを制してトップに躍り出ると、オープニングラップからハイペースで周回を重ねた。
一方、2コーナーでインサイドのハミルトンに若干押し出される格好となったロズベルグは4番手に後退すると、2番手、3番手に浮上したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とバルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)の後方でタイムをロスすることになった。
レースリーダーとなった先頭のハミルトンは序盤の10周目で早くも2番手を走るベッテルに6秒の差を築くと、16周目の最初のタイヤ交換でミディアムタイヤを装着。第2スティントでハードタイヤを選択したベッテル以下をさらに引き離すペースで周回を重ね、31周目の2回目のピットストップまでに約13秒のギャップを築くことに成功、独走状態に持ち込んだ。
すると4番手に後退していたもう一台のメルセデス、ロズベルグも17周目のシケインで3番手のボッタスを攻略すると、今度は2番手ベッテルに照準を合わせ、その差を縮めにかかる。迎えたレース中盤の30周目、ここでベッテルが2度目のピットに向かうと、前の周にピットアウトしていたロズベルグはアウトラップのセクター2とセクター3でベストタイムを刻んで、ピット出口の合流でベッテルの前に出ることに成功。これでシルバーアローが1-2態勢を築くことになった。
その後、先頭のハミルトンは終盤にかけてレースを完全にコントロール。終わってみれば2位のロズベルグに18秒の大差でチェッカーを受け、昨年に続く鈴鹿連覇を達成。通算勝利ではアイルトン・セナに並ぶ41勝目(歴代4位タイ)を手にした。
2位ロズベルグに続く3位にはフェラーリのベッテルが入ったが、中盤まで2位を守っていたベッテルは2度目ピットストップの攻防が悔やまれる結果となった。以下、4位は2度目のピットストップでボッタスのアンダーカット(ライバルよりも早く新しいタイヤを履き、その性能を活かしてライバルの前に出る戦略)に成功したキミ・ライコネンが入り、メルセデスとフェラーリがトップ4を独占。5位にボッタス、6位にフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグが続いた。
また、現在深刻な財政難に見舞われているロータスはロマン・グロージャンとパストール・マルドナドが2台揃って入賞を果たす健闘。9位に17歳の新人、マックス・フェルスタッペンが入り、チームメイトのカルロス・サインツJr.も10位と、鈴鹿初ドライブの若いふたりが入賞を果たした。
母国レースに挑んだホンダ勢は12番手スタートのフェルナンド・アロンソが一時は入賞圏内を走行するも、ホームストレートでパワー不足を露呈。1コーナーで何度もオーバーテイクされる厳しいレース展開となり、順位的には入賞まであとひとつもトップからは1周後れの11位。ジェンソン・バトンは16位と2台揃って厳しい結果に終わった。