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「バイオハザード」撮影現場の事故で女性スタントがケガ、自己責任になってしまう?

2015年09月27日 12:21  弁護士ドットコム

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米女優ミラ・ジョボビッチさんが主演する人気映画「バイオハザード」の最新作の撮影現場で、女性スタントが大ケガを負う事故が起きていたことがわかった。


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「ミラーオンライン」など複数のメディアによると、事故に遭ったのは「マッドマックス/怒りのデスロード」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などにも出演するオリビア・ジャクソンさん。南アフリカのヨハネスブルクで9月上旬に行われていた撮影中、オートバイに乗ったジャクソンさんが、故障して動かなくなった金属アームに激突し、頭部や胸部などを負傷した。



危険と隣り合わせのスタントでは、こうした事故が起こることもあるだろう。一般的に、スタント撮影中に事故が起きた場合、スタントマンの自己責任なのだろうか。それとも、映画の制作側に、スタントマンに対する賠償責任が生じるのだろうか。芸能関係の法律問題にくわしい太田純弁護士に聞いた。



●制作側に責任が生じる場合とは?


「まずスタントマンや出演者との具体的な契約内容によって、制作側の責任や賠償の範囲が定められている場合があります。



ただ、一般的には、当事者の合理的な意思解釈として、『いかなる場合でも、すべてスタント側の自己責任』とする契約というものは、想定しがたいと思われます」



過去に、制作側の責任が問われたケースはあるのだろうか。



「海外では、『トワイライトゾーン』におけるビック・モロー氏の死亡事故や、国内では、『東方見聞録』における出演者の死亡事故などが挙げられます」



具体的には、どんな場合に制作側の責任が生じる可能性があるだろうか。



「スタント撮影の場合、俳優に代わって危険度の高いシーンを撮影するわけですが、通常、そのための事前の打合せや現場確認を経て、リハーサルを行い、本番となります。



事前の打合せやリハーサルに反して、本番時に機材や段取りのミスがあったとすれば、いかにスタントマンといえども、危険から身を守ることができなくなります。



今回の場合、契約内容いかんにもよりますが、現場で機材に故障があって、当該機材の管理に過失があったとすれば、制作側が安全管理上の責任を負う可能性があります」



太田弁護士はこのように述べていた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
太田 純(おおた・じゅん)弁護士
訴訟事件多数(著作権、知的財産権、労働、名誉棄損、医療事件等)。その他、数々のアーティストの全国ツアーに同行し、法的支援や反社会的勢力の排除に関与している。
事務所名:法律事務所イオタ
事務所URL:http://www.iota-law.jp/