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スーパーGT公式テスト:2日目はレクサス勢が上位独占。ENEO RC Fがコースレコードを上回るトップタイム

2015年09月27日 09:11  AUTOSPORT web

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テスト2日目のトップタイムをマークしたENEOS SUSTINA RC F
26日、スーパーGT公式テストの2日目がツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスではENEOS SUSTINA RC Fが、GT300クラスではTOYOTA PRIUS apr GTがトップタイムをマークした。

 2日目は、前日までの雨も上がり絶好のテスト日和に。5400人の観客が見守る中、午前と午後のセッションが行われた。9時からの午前のセッション開始時の路面はセミウエット。序盤は各車レインタイヤで周回を重ねていったが、徐々に気温も上がっていき、開始1時間ほどで走行ラインはほぼドライとなった。

 そんな中、10時20分頃にSYNTIUM LMcorsa RC F GT3がエンジンブローを起こして4コーナー先のコースサイドにストップ。赤旗が提示されるとともに、LMcorsa RC Fはここでテストを終える事となった。

 セッションは20分ほどで再開となり、ドライコンディションのなかで午前最後のアタックが行われていく。その結果、GT500クラスはPETRONAS TOM'S RC Fの伊藤大輔が、昨年のポールポジションタイムに0.045秒と迫る1分38秒213をマークしてトップに。続く2~3番手もDENSO KOBELCO SARD RC F、ZENT CERUMO RC Fと、レクサス勢が占める形となった。

 ニッサン陣営のトップは、現在ランキング首位につけるカルソニックIMPUL GT-R。ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラが1分38秒693をマークして4番手に。ホンダのトップは、山本尚貴が1分38秒990をマークしたRAYBRIG NSX CONCEPT-GTの6番手となった。

 またGT300クラスでは、グッドスマイル 初音ミク SLSが1分48秒927をマークし、午前のセッションをトップで終えている。

 セーフティカー訓練後に始まった午後のセッションでも、各車予選シュミレーションのタイヤ評価やロングランなどのメニューを消化していく。そんな中で首位につけたのは、大嶋和也が非公式ながらコースレコードを上回る1分38秒197をマークしたENEOS RC F。レクサス陣営は午後のセッションでもZENT RC F、DENSO RC F、PETRONAS RC Fとトップ4を占めた。

  1分38秒698でカルソニックGT-Rが5番手となり、ニッサン陣営のトップに。ホンダは、1分38秒790をマークしたKEIHIN NSX CONCEPT-GTが6番手につけた。

 GT300クラスでは、TOYOTA PRIUSの嵯峨宏紀が1分48秒656をマークしトップとなっている。

 2日目の総合結果としては、午後のセッションでコースレコードを上回ったENEOS RC Fが首位に。PETRONAS RC F、DENSO RC F、ZENT RC Fと、トップ4を独占した。ニッサンは、カルソニックGT-Rが5番手、MOTUL AUTECH GT-Rは11番手という結果に。ホンダ陣営は、KEIHIN NSXが6番手となり、ランキング2位のRAYBRIG NSXが7番手に続いている。

 テスト終了後の3メーカーの話から、各陣営の勢力図もおぼろげに見えてきた。レクサス陣営は、ブリヂストンユーザーチーム間のタイヤ選択やセットアップの面においてある程度同じ方向性でまとまっており、全体的な底上げに成功していると言っていいだろう。最終戦では、チャンピオン候補チームの速さも重要だが、それ以外にも“援護射撃”をしてくれる同メーカーチームの存在も大きな要素となる場合が多く、そういった意味でもレクサスは有利と言えそうだ。

 ニッサンは、「すべてはタイヤ次第」との声が聞こえてくる。今回のテストでは、ミシュランユーザーのMOTUL GT-RとS Road MOLA GT-R、そしてブリヂストンユーザーのカルソニックGT-Rともに、タイヤがコンディションにマッチしていなかった感があり、読み切れないというのが実情だろう。“Ver.3”のエンジンは信頼性をある程度確保しつつパワーに振ったエンジンであると言われており、今回のテストではS Road GT-Rに搭載されたが、性能を100%タイムに反映できていないと思われる。10月に行われるオートポリスでのタイヤメーカー合同テストで、本当の速さが分かるだろう。

 最後にホンダ陣営だが、現状では苦しいと言わざるをえないようだ。やはりミッドシップ&ハイブリッドシステム分のウエイトハンデ(※他陣営より最低重量が57kg重い)+ポイントに対するウエイトハンデに苦しんでいる様子。松本雅彦プロジェクトリーダーは、エンジン単体やタイヤなども重要であるものの、「クルマとして速くしないと勝負できない」と表現した。現在ランキング2位のRAYBRIG NSXがチャンピオンを獲るためには、やはりホンダ勢全体の全体の底上げが必要とされ、オートポリス、もてぎともに、ランキング上位のクルマを1台でも多く“食って”いかなくてはならない。そういった意味では、Epson NSX CONCEPT-GTがオートポリスで優勝したりすると、RAYBRIG NSXにとってはこの上ないアシストとなるだろう。

 GT300では、2日間を通して安定したタイムを刻んだTOYOTA PRIUSが2日目のクラス総合首位につけ、上り調子の様子を見せた。初音ミクSLSが2番手に続き、シンティアム・アップル・ロータスが3番手となっている。

 TOYOTA PRIUSの好調の要因として、まずはタイヤが挙げられる。オーダーメイドのブリヂストンタイヤが非常にマッチしており、ドライ/レインともに安定して速いタイムを刻んでいる。また、今回のテストに向けて車両重量に対するセットアップをもう一度見直したことも大きいという。残り2戦に向けてもクルマの軽量化を図っていくなど、逆転タイトルに向けての準備は整ったと言えるだろう。

(Shimpei Suzuki)