DTMドイツツーリングカー選手権は26日、ニュルブルクリンクで第15戦の予選と決勝レースが行われ、スタートで首位を奪ったマキシム・マルタン(BMW M4 DTM)が今季初勝利を挙げた。
今シーズンのDTMも残り4戦(2ラウンド)。ここまで14戦を終えて、メルセデス陣営の若きホープであるパスカル・ウェーレイン(メルセデスAMG C63 DTM)が140ポイントでランキング首位。14ポイント差、126ポイントの2位にマティアス・エクスロトーム(アウディRS5 DTM)、3位にエドアルド・モルタラ(アウディRS5 DTM)が110ポイントでつけた状態で今週末を迎えた。
予選では、今季ルーキーのルーカス・アウワー(メルセデスAMG C63 DTM)が自身初のポールポジションを獲得。僅差の2番手にマルタン、そして3番手にウェーレインが続き、ブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM)、モルタラと並んだ。
土曜日のレースは40分間+1周で行われ、タイヤ交換の義務はない。スタートでは、マルタンとウェーレインが1コーナーまでにポールシッターのアウワーをパス。しかし、1コーナー進入で、イン側のマルタンとアウト側のウェーレインが接触し、ウェーレインはアウト側に膨らみながらやや失速を喫することに。マルタンが首位で1コーナーを抜けた一方、ウェーレインは4番手まで順位を落とすとともに、右フロント部分にダメージを負ってしまう。
後方では、7番手からスタートしたジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM)が姿勢を乱し、複数の車両と接触。また、これに巻き込まれる形となったミゲル・モリーナ(アウディRS5 DTM)はグリーンの車両のフロント部分がマシンに引っかかってしまい、こちらもその後コース脇にマシンをストップさせている。
これにより、1周目からセーフティカーが導入されることになったが、加えて、コースにオイルが撒かれたとして、レースは一時赤旗中断となる。各車がホームストレート上にマシンを止めたが、ここでは真っ先にマシンを降りたウェーレインが隊列の先頭に向かい、マルタン車のウインドウを叩き何やら抗議している場面も見られた。なおウェーレインは、このレース中断の際に、右フロントの修復作業を受けた。
マルタン、シュペングラー、モルタラ、ウェーレインと続く形となった上位陣。残り時間30分でレース再開となると、リスタートではマルタンが首位をキープして1コーナーを抜けていく。
首位のマルタンが徐々に差を広げていった一方、シュペングラーのペースが上がらず、2番手以下はトレイン状態に。ただ、残り13分となった15周目、1コーナーイン側からモルタラがシュパングラーをオーバーテイク。その際やや接触があり、シュペングラーがアウト側にふくらんだ隙にウェーレインも先行。モルタラが2番手、ウェーレインが3番手に浮上する。
その後、5秒以上のリードを築いていたマルタンを、モルタラとウェーレインが追うも、残り時間では捉えきることができず。今季初勝利を挙げたマルタンは、パルクフェルメでマシンのルーフに登り、大きなガッツポーズで喜びを表現した。
モルタラとウェーレインは、首位を追いながらも僅差の接近戦を展開を展開したが、それ以上の順位変動はなし。モルタラが2位、ウェーレインが3位と、表彰台は3陣営が分け合うこととなった。
この結果、ウェーレインがポイントを155まで伸ばしてランキング首位をキープ。ランキング2位には128ポイントでモルタラが浮上し、今回のレースは10位フィニッシュとなったエクストロームが127ポイントでランキング3位となった。
DTM第16戦は、引き続きニュルブルクリンクで27日に予選と決勝が行われる。日曜日の決勝レースは60分+1周の、タイヤ交換ありのフォーマットとなる。