日本GPの予選後に行われた毎年恒例の前夜祭で、鈴木亜久里、佐藤琢磨というゲストに加え、今年はフェラーリのセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネンが参加。フェラーリのグッズを纏った多くのファンの声援の中、今までにないユニークな組み合わせによるトークが行われた。
夜18時30分から登場予定だったフェラーリの2人だが、ベッテルがひとり10分早く登壇するという、ファンには嬉しいサプライズも。そこではベッテルと鈴木亜久里という、なかなか珍しい組み合わせの会話で会場が盛り上がった。
亜久里「俺もね、フェラーリに憧れていたんだけど、実際にフェラーリに入ってどんな気分?」
ベッテル「やっぱり、フェラーリはどんなドライバーにとっても憧れのチーム。夢のような気持だったし、ずっと憧れていたんだ」
続いて改めて鈴鹿の印象などを話したベッテル、最後に、日本のF1ファン、小林可夢偉に向けたメッセージを送った。
「今、F1に日本人ドライバーがいないのは本当に残念。可夢偉のように高いポテンシャルを持ったドライバー、彼のようなドライバーがF1に乗れるようにならないといけないんだ」とベッテル。2006年のユーロF3でベッテルと可夢偉はチームメイトだったこともあり、ベッテルは可夢偉の速さを熟知している。可夢偉がF1に戻ってきてくれることを、ベッテルも待ち望んでいるようだった。
ベッテルに遅れてライコネンが登壇。MCを務めるピエール北川さんの「明日はドラマチックなレースを期待したいですね」というライコネンへのノリの良い質問にも、「ドラマチックなレースは難しいけど、良いスタートを切って、良いレースをしたいね」と、相変わらずのクールな返答。それでもファンの歓声に手を挙げて応え、「たくさんのファンに来てもらってうれしい。明日に向けて頑張るよ」と、会場を沸かせた。
ベッテルが話している合間には、琢磨とライコネンが2人で会話をして、ライコネンが笑顔を見せる場面も。ふたりはかつてF1で戦っていた時代、予選セッション中にクラッシュをして、琢磨が当時マクラーレンのライコネンのガレージに抗議に行った経緯もあるなど、何かとアクシデントがあった仲。しかし、ここは年月が過ぎ、お互いの仲も回復したということか。いずれにしても、琢磨とライコネンという珍しい組み合わせは、会場のファンにとって約15分のみではあったが、貴重な時間になったことは間違いない。
「レース後には日本のどこかを訪れたりしますか?」という質問にも、「月曜日の朝にはフィンランドに帰るよ。そこで1週間過ごしてからロシアGPに向けて旅立つ」と、ライコネン節は最後まで健在だった。