マクラーレン・ホンダで臨んだ初めての日本GP予選後、アロンソは自らのタイムアタックを振り返った。
「Q2でのアタックは僕にとって今シーズンのベストだったし、鈴鹿の予選でも最高のアタックラップだったと思う。タイヤがあと100セットあったとしても、今日の自己ベストを更新することはできないだろう」
予選10位のダニール・クビアトがアタック中にマシンを大破、予選後にモノコック交換を含めたマシンの大改修を行わなければならなくなったためパルクフェルメ規定を守ることができず、ピットレーンからのスタートに。さらに予選11位のニコ・ヒュルケンベルグが前戦シンガポールGPでフェリペ・マッサとの接触によって3番手降格のペナルティを科せられているため、予選を14位で終えていたアロンソは暫定12番手グリッドとなっている。
「何人かがグリッドダウンするのでスタートのポジションが上がる。レースではポイント獲得を目指したい。もちろん僕の後ろには(予選中にマシンがストップした)マックス(フェルスタッペン)のような速いマシンが何台かいるので、簡単ではない。たとえ入賞が難しくても、ホンダのホームコースでホンダを応援する日本のファンのために、僕たちマクラーレン・ホンダは2台とも全力でレースを戦う。最低でもチェッカーフラッグは受けなければならないと思っている」
このようにポジティブなアロンソとは対照的に、予選16位でQ2進出を逃したジェンソン・バトンの口からは、厳しい発言があった。
「問題は最初のアタックで、どのエンジンモードにするか伝えられていなかったことだ。間違ったセッティングでアタックを開始したために、マシンが持っているポテンシャルをすべて引き出すことができなかった。鈴鹿のようなサーキットでは、ひとつのミスも許されない。フロントウイングを調整するためにネジを半周回しすぎただけでも、結果に大きく影響するんだ」
エンジンモードが正しいポジションにセットされていないままタイムアタックに入ったバトンのマシンは、アタック中にエネルギーが枯渇。回生エネルギーがない状態での走行を強いられ、2回目のアタックに賭けるしかなかった。しかしQ2進出を賭けた最後のアタックは、フェルスタッペンのマシンがコース上で止まってしまったため、イエローフラッグが出されて減速しなければならなかった。
バトンの不満も、やはり特別なグランプリへの思い入れによるものとポジティブに考えることもできる。
「ここは特別な場所だ。ベストを尽くす気持ちに変わりはない」
アロンソもバトンも思いは同じ。第二のホームグランプリを、あきらめていない。それはマクラーレン・ホンダを応援するファンも同じだ。
(尾張正博)