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『2030かなたの家族』は「想像を上回る家族感が出ていた」

2015年09月26日 18:20  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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2030年の東京を舞台に、家族や人とのつながりを描いたドラマ『2030かなたの家族』(NHK総合・9月26日・夜9時~)。 物語はシェアハウスに暮らすカケルのシェアメイト、荻原美冴(相武紗季)の驚きのひと言で幕を開ける。 「私、子どもが欲しいの。協力してくれない?」 結婚を望んでいるのでも、家族になりたいのでもないという美冴の頼みに戸惑うカケル。だが、ふと考えた。自分には“家族”があるのだろうか、と。 板倉家は15年前の2015年から離散していた。決め事だった年に1度の家族の集まりも3年前に解散。以来、カケルは家族の誰とも会っていない。 美冴への答えを探す中、カケルは、家族のひとりひとりと向き合うために両親、祖父母、妹を訪ね歩く。そこで目にしたもの、カケルに芽生えた思いとは? ドラマを手がけた、陸田元一プロデューサーは、こう語る。 「2030年は夫婦に子ども2人の標準家族が最大多数でなくなると同時に、65歳以上の方が3割を超えると予測されています。大きな転換点を迎えるにあたり、今と“地続きの未来”を描きたかった」 劇中、祖父母の住む究極の老人の街「永遠シティ」には、自分の寿命が表示される生命時計など、さまざまなハイテク機器が完備されている。こうしたディテールは、演出の笠浦友愛ディレクターらが2年前から取材を重ねて作り上げた。 「遠い未来なら空想でいいけれど、地続きなだけに難しかったですね。一歩または半歩先を描くため、価値観の違い、設定などについて、脚本家の井上由美子さんを含め制作陣は議論を重ねました」(陸田プロデューサー) 衣装にもこだわり、瑛太もかかわっているそう。 「どんなものがいいか、悩んでいたのですが、瑛太さんにもご意見を聞いて、シンプルなものに決めました」(陸田プロデューサー) 主役の瑛太は、キャラクターのイメージをしっかり固めて臨んでいるので、ちょっとしたしぐさ、走り方などにも“あっ、カケルだ”と感じたという。 「花見のシーンでカケルがピクニックシートを広げるのですが、いかにも几帳面な彼らしく、何回もやり直しているのを見て、カケルになりきっているのを感じました」(陸田プロデューサー) もうひとつ、陸田プロデューサーが感動したのは、板倉家の家族が集まるシーン。 「想像をはるかに上回って家族感が出ていたんです。最初に撮ったシーンだったのですが、これはいけると確信しました」(陸田プロデューサー) いろんな世代の生き方やそれぞれの思いが、繊細に描かれている。バラバラだった家族は、どんな結末を迎えるのか? 珠玉のラストにも注目したい。 「あらためて家族の来し方、行く末に思いを馳せていただければ。また、自分の足で歩き出して人とつながる素晴らしさ、一歩踏み出す力強さのようなものを感じてください」(陸田プロデューサー)