2015年09月26日 10:31 弁護士ドットコム
「避妊薬を飲んでいるから大丈夫」。そんなウソをつかれて、彼女を妊娠させてしまったという男性の母親から、「認知しないとダメなのでしょうか?」という相談が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。
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相談者によると、男性は未成年の大学生。「避妊薬を飲んでいるから大丈夫」というウソを信じて性交渉をした結果、彼女を妊娠させてしまったのだという。彼女は「絶対産みたい」と主張しており、妊娠は12週目に入っているそうだ。
投稿者は、男性を「浅はかな息子」といいつつも、「彼女の無責任な言葉で最悪の結果になったと思えてなりません」と認知することに納得がいかないようだ。彼女がウソをついて妊娠してしまった場合でも、男性は子どもを認知しなければならないのだろうか。男女の法律問題に詳しい田中真由美弁護士に聞いた。
「結論から言うと、相談者の息子さんは、相手の女性、もしくは生まれてくる子どもから認知をするように求められた場合、子どもを認知しなければいけません。
『避妊薬を飲んでいるから大丈夫』というウソを信じて性交渉をした結果、女性が妊娠した場合でも、『ウソをつかれたから認知しない』という言い訳は通用しません。避妊をしたとしても100%避妊が成功しない場合もありえます。この場合も同じです」
田中弁護士はこのように述べる。なぜだろうか。
「認知は、『子の父親である』という事実に基づいて行われる手続だからです。性交渉にいたる動機や経緯などは、全く影響を及ぼしません。
今回のケースでも、女性が相談者の息子さんと性交渉をして、その結果、女性が妊娠している事実は間違いないようです。
女性が出産した後、女性または子が希望すれば、認知の手続きをすることができます」
具体的には、どんな手続きをするのだろうか。
「認知したくないということであれば、相談者の息子さんは、自分から認知をする必要はありません(任意認知)。
ですが、女性または子は、父親が自ら認知をしない場合、裁判所に訴えて、強制的に父子関係を確定するよう求めることができます(強制認知)」
田中弁護士はこのように述べていた。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
田中 真由美(たなか・まゆみ)弁護士
あおば法律事務所共同代表弁護士。熊本県弁護士会所属。
「親しみやすい町医者のような弁護士でありたい」がモットー。平成26年度熊本県弁護士会副会長。得意分野は離婚、家事全般、債務、刑事事件、少年事件。
事務所名:あおば法律事務所
事務所URL:http://www.aoba-kumamoto.jp/