米シリコンバレーを拠点として次々と生まれている新しいサービスは、ビジネス環境を大きく変えました。特に中小企業やスタートアップのベンチャー企業などの「スモールビジネス」にとって、無料または安価に使えるサービスは、事業を始めたり低コストで運営したりするために欠かせません。
9月11日付のUSA TODAYには、「米国スモールビジネス開発センター(ASBDC)」の35周年を記念して、シリコンバレーツアーが実施された様子が取り上げられています。一行は9月9日に、スモールビジネスに多大の影響を与えているグーグルとイントゥイット、フェイスブックの3社を、70人のコンサルタントとともに訪れたようです。(文:夢野響子)
フェイスブックはモバイル上の「ページ」を刷新
記事を寄稿したロンダ・アブラムズ氏によると、ASBDCは過去35年にわたって中小企業や新興企業の支援をしてきたそうです。センターには毎年100万人以上の起業家が、無料相談や価格の安い研修を受けるために訪れます。
このような起業家によって、米国では33分に1社の新規事業が誕生し、7分に1件の新しい仕事が作り出されています。今回訪れた3社は、このようなスモールビジネスの方法を劇的に変えているということです。
アブラムズ氏が興奮気味に伝えるところによると、フェイスブックを訪れたとき、同社の最高執行責任者(COO)であるシェリル・サンドバーグ氏が一行を出迎えてくれました。
「フェイスブック社は私たちの訪問に合わせ、すでに4500万以上の企業に使われている『ページ』に新機能が搭載されるという発表をしてくれました」
モバイル上のフェイスブックで「コールトゥアクション」ボタンが刷新され、企業がよりユーザーとつながりやすくなるとのこと。その他、スモールビジネスでも使いやすい改善が行われるようです。
会計サービス大手のイントゥイットでは、スモールビジネス事業部長のカレン・ピーコック氏と面会。現在でも多くの会社が同社の会計ソフト「QuickBooks」などを使っていますが、今後もスモールビジネスにあった製品を出し続けるということです。
グーグルは検索結果に「地元企業」を表示
グーグルでは、エミリー・ハリス氏率いる「Let's Put our Cities on the Map」の詳細に、一行は大変興奮させられたようです。このサービスでグーグルは、米国の3万以上の都市を対象に、ユーザーがビジネスを検索すると地元のスモールビジネスが画面に現れるようにしようとしています。
スモールビジネスの組織はこの無料サービスを活用することで、自社サイトを持たない地元のビジネスを消費者の目に触れさせることができます。これは地元コミュニティへの貴重なサービスとなるため、参加者の多くがアップロードするためのオンラインリストの作り方を学び、地元へ導入しようと決めたそうです。
「参加者たちは、起業家精神の震源地であるシリコンバレーの文化にインスピレーションを受け、この次にスモールビジネスのために作られるものは何なのか、期待に胸を膨らませました」
米国のスモールビジネスは国のGDPの半分を構成し、新規雇用の3分の2を作り出しています。上記の様々なサービスはビジネスの運営を助け、ビジネスと消費者とを結びつけて、地域社会の経済を強めることにさらに貢献するでしょう。
(参照)Strategies: Small business depends on Silicon Valley (USA TODAY)
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