株式会社ディスコが2016年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生を含む)を対象に行った調査によると、9月1日現在で就職先から内定を得ている人は82.3%にのぼったという。
内定率は理系女子が最も高く89.6%。理系男子が84.4%で続く。文系は女子が79.9%、男子が79.8%でほぼ同率で並んだが、就職先を決定して活動を終了した文系女子は73.5%で男子より3ポイント低い。現時点での納得度が低い人がいるようだ。
大手後ろ倒しで「中小企業との接点増えた」との回答も
内定者のうち、就職先を決めて活動を終了したのは80.2%(回答者全体の66.0%)、今後も継続する人が15.5%(同12.8%)いる。就職先を決定した企業の規模は、従業員1000人以上の大手企業が70.9%で、前年度より5.3ポイント増加した。
就活継続者に「活動の中心としている企業規模」を尋ねたところ、今年8月までは「業界トップ」「大手企業」の合計が約半数を占めていたが、9月に入ると「規模にこだわらず活動」が約20ポイント増えて58.8%と急伸している。
「後ろ倒し」というスケジュール変更を伴った今年の就活だが、学生が感じた難易度はさまざまだったようだ。内定ありの就活生のうち「とても厳しい」と答えた人は10.4%にすぎないが、内定なしの場合は49.8%を占めた。
スケジュール変更で就活にメリットを感じるかという問いには、68.6%が「デメリットを感じる」と回答。「計画が立てにくかった」「卒論などに支障が出ている」といった項目に、「あてはまる」と答えた人が多かった。
ただし自由回答欄には、スケジュール変更のメリットを指摘する人も。ある文系男子は「序盤に中小企業の選考を受けて、面接慣れすることができたのは良かった」と回答。内定辞退が多く発生しているとはいえ、中小との接点が増えたという側面はあるようだ。他の文系女子も「前年度までのスケジュールだと大手病になっていたと思う」と答えている。
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