現在来季からのパワーユニット契約についてフェラーリと交渉中のレッドブルが、フェラーリのワークスチームが使用するものと同等のPUを要求、パフォーマンスが劣ったカスタマーエンジンしか与えられないのであればF1から撤退するというメッセージを送った。
レッドブルとルノーとの契約は2016年末まで残っているが、これを今季末で解消するため両者は交渉を行っている。レッドブルは現在最強のメルセデスエンジンを搭載することを望んでいたものの、レッドブルが脅威となることを恐れたメルセデスはこれを断った。そのためレッドブルにとってはフェラーリとの契約が現実的な唯一の選択肢となる。
レッドブルは、自らが運営するメディアSpeedweekにおいて、フェラーリからワークスチームと同レベルのパワーユニットの供給を受けられなければF1から撤退するしかないというメッセージを発したと、Motorsport.comが伝えた。
「レッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソが2015年シーズンをもってF1から去るというシナリオがある」とSpeedweekには記されている。
「コンストラクターは、カスタマーチームがワークスチームを脅かす場合、30~40馬力低いエンジンを供給することがあり得るが、レッドブルはそういったカスタマーエンジンなど搭載したくはない」
「レッドブルはフェラーリが真のワークスエンジン、(セバスチャン・)ベッテルと(キミ・)ライコネンが使っているものと同じレベルのものを提供する場合に限り、F1活動を続けたいと考える」
Speedweekにおいてレッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツは「カスタマーエンジンでは再びチャンピオンになることはできない。それならば(F1には)関心はない」と述べている。
シンガポールGPの週末、フォルクスワーゲングループがレッドブルを買収し、2018年から自身のパワーユニットで戦うことを目指すことを考えているといううわさが持ち上がった。
チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーは、新たなパワーユニットで参戦するという説について、「ゼロから競争力のあるエンジンを作り上げるには、どのマニュファクチャラーであろうと2年から3年はかかる。彼らが参戦する可能性は長期的に見て面白いものではあるが、それでは今の(レッドブルの)問題は解決しない」と述べた。
レッドブルは当面はフェラーリエンジンで戦い、その間にフォルクスワーゲングループがパワーユニットを開発するのではないかとの推測もなされている。一方で、両者の提携はこの数年何度も繰り返し報じられているが、今の段階では現実的な大きな動きはないともいわれている。