ルノーの新車「ルーテシア ルノー・スポール トロフィー」と「メガーヌ ルノー・ルポールCUP-S」の発表会イベントが富士スピードウェイで行われ、トロロッソのマックス・フェルスタッペンがゲストとして来場。東京モーターショーの会場で放映するビデオ撮影のため、ルーテシア ルノー・スポール トロフィーをドライブした。
月曜の夜に東京に到着したというフェルスタッペン。多少の疲れはあるものの「今日ドライブしたら楽しかったよ」と表情は明るい。一昨日行われたシンガポールGPで、スタートでストールしたものの8位まで追い上げたことが、その大きな要因だったようだ。
「猛プッシュするしかないと思っていたんだ。スタートミスは残念だったけど、マシンの仕上がりは良かったから、モチベーションは高かったんだ」
そう語るフェルスタッペンは、昨年の日本GPでF1公式セッションデビューを果たしてから、ちょうど1年経過する。「1年前の自分と今の自分は全く違うと思う。成長した今の自分で、鈴鹿に挑戦できるというのは嬉しい」とフェルスタッペン。
フェルスタッペンはまだ17歳。ゆえに、まだ運転免許を持っておらず、9月30日に18歳の誕生日を迎えると、ようやく免許取得が可能となる。ただ、すでに学科試験にはパスしているということで、「日本GPが終わったら、国に帰って免許を取るつもりだよ」と教えてくれた。
そんなまだ無免許のフェルスタッペンは、ルーテシア ルノー・スポール トロフィーで圧巻の走りを見せた。「ゲームでしか体験したことがない」という富士スピードウェイをタイヤが溶けるほどに攻める。撮影用の伴走車(伴走車と言えどルノー・メガーヌであり、パワーではフェルスタッペンが乗ったクルマの上を行く)が追いつけないほどだ。スタッフ曰く「左のリヤタイヤだけ、タイヤの内圧がすごく上がっている。Aコーナーの走りも、初めてとは思えないほど……さすがだ」とのこと。また、撮影の模様を見学に来ていた森脇基恭氏も「短い時間しか乗っていないはずなのに、もうクルマの特性をとらえている。それはF1レベルのドライバーなら当然ですが、フェルスタッペンはその中でも随一の才能を備えているんじゃないですかね」と絶賛していた。
フェルスタッペンはルーテシア ルノー・スポール トロフィーの印象について、「非常にクールなクルマだ。すごくコントロールしやすくて、テクニカルな低速コーナーよりも、高速コーナーを攻めると楽しめるクルマだよね。ブレーキのバランスも取りやすい。サーキットを攻めるクルマに仕上がっているよ。でも、一般道でも楽しめる要素を犠牲にしていないところがすごいよね」と気に入ったようだ。「免許を取ったら買う?」と聞いたところ、「もうルノーから貰ったよ」とのこと。
またイベントには、マックスの父親のヨス・フェルスタッペンも来場。メガーヌのステアリングを握り、息子マックスと併走するシーンもあった。ピットから出て行く際、現役F1ドライバーの息子以上にホイールスピンをさせていたのは、ご愛嬌だろう。
僅か1時間のサーキット走行を楽しんだフェルスタッペン。ほとんど疲れた表情を見せずにサーキットを後にし、鈴鹿サーキットへと向かっていった。