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スーパーGT第6戦:ペナルティ続出の乱戦。GT500はRAYBRIG NSX CONCEPT-GTが今季初勝利

2015年09月20日 23:00  AUTOSPORT web

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優勝を喜び合うRAYBRIG NSX CONCEPT-GTの山本尚貴と伊沢拓也
スーパーGT第6戦SUGOは20日、81周の決勝レースが行われ、接触やペナルティが多発したレースでRAYBRIG NSX CONCEPT-GTが今季初勝利。ホンダ陣営に今シーズン初の優勝をもたらした。

 好天のもと、気温26度、路面温度38度というコンディションで開始時刻となる14時を迎えた第6戦の決勝レース。スタートでは、ポールポジションのS Road MOLA GT-Rを駆る本山哲が危なげなくホールショット。RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、Epson NSX CONCEPT-GT、KeePer TOM'S RC Fとグリッド通りに続いていく。

 上位はトラフィックの影響もあってかタイムにばらつきがあり、各車の間隔も数秒単位で開いたり縮んだりする展開が続いたが、その中でもS Road GT-Rの本山哲は徐々に差を広げていき、20周を迎える頃には10秒ほどまでリードを拡大していった。

 その後方では、RAYBRIG NSXの山本尚貴とEpson NSXのベルトラン・バゲットの2番手争いが接近。バゲットは23周目の最終コーナー~ストレートでサイド・バイ・サイドに持ち込むも、バトルの際に右サイドのグリーンにいってしまい、その際にダメージがあったか右リヤから白煙を挙げてスローダウン。一旦ピットへ向かいタイヤを交換して再びコースへ戻るが、サスペンションにダメージがありその後もマシンは傾いたままの状態。Epson NSXは戦線離脱となったため、RAYBRIG NSXが2番手をキープした。

 S Road GT-Rのリードが続く27周目、DENSO KOBELCO SARD RC Fの平手晃平が、ZENT CERUMO RC Fの立川祐路との接近戦の中でバックストレートのグリーンに押し出されるような形となり、姿勢を乱してコース左サイドのガードレールに激しくクラッシュ。これによりセーフティカーが導入され、本山の約9秒のリードは一旦帳消しとなった。なお、平手は自力でマシンを降りているが、マシンはリタイアに。また、この際のバトルが審議となり、ZENT RC Fにはその後、ドライブスルーペナルティが下された。

 セーフティカー導入中の31周目にピットレーンオープンとなると、GT500はほぼ全車がピットへ。GT300も多くのマシンが作業へと向かい、ピットレーンは一時大混雑となる。柳田真孝に代わったS Road GT-Rが首位を守り、RAYBRIG NSX、KeePer RC F、ENEOS SUSTINA RC Fと、GT500の上位はポジションキープで続いていった。

 レース再開は33周目。リスタート後は、2番手につけるRAYBRIG NSXの伊沢拓也が柳田の背後につける形となるが、36周目の最終コーナーで柳田がややリヤを滑らせる。追う伊沢は、37周目のメインストレートで柳田に並びかけると、1コーナーで先行して首位を奪取。その後も5秒前後の差で最後まで首位を守り切り、トップでチェッカー。RAYBRIG NSXが今季初勝利を上げるとともに、ホンダ陣営にとってもシーズン初の優勝となった。

「ドライバー交代をしてからクルマの調子も良かったし、すべてが完璧でした。山本選手と勝利を挙げたことがなかったので、ふたりで国さん(高橋国光総監督)と一緒に優勝することができて、本当に嬉しいです」と優勝直後のインタビューで語った伊沢。

 山本も「やっと勝ててよかったです。一生勝てないかもしれないと思っていたのですが、(伊沢選手と)ふたりで結果を残すことができ、ホンダにも今季初優勝をもたらすことができました」と目をうるませながら喜びを語った。

 最終的には2.6秒の差でS Road GT-Rが2位に入り、フロントロウに並んだ2台が最後までトップ2を争う展開となったこのレースだが、3位表彰台をめぐる展開は波乱の様相となった。

 最終的にトップ2と30秒以上のが開いた3位争いでは、SCラン後のリスタートでもKeePer RC Fの平川亮が3番手をキープ。ただ、レースも残り20周を切った65周目、ピット作業時に違反があったとして、KeePer RC Fにドライブスルーペナルティが下されることに。これにより、3番手にはENEOS RC Fの国本雄資が浮上する。

 ENEOS RC Fの後方からは、表彰台を狙うMOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリも迫ってきていたが、66周目にはこのMOTUL GT-Rにもドライブスルーペナルティが下される。このペナルティはレース折り返しを前に繰り広げられたカルソニックIMPUL GT-Rとのバトルの中での接触によるものだが、表彰台も見えたMOTUL GT-Rはここで後退。代わって4番手には、D'station ADVAN GT-Rの佐々木大樹が浮上した。

 その時点では4秒ほどあった国本と佐々木との差だが、ペースに勝る佐々木が国本の背後につける展開となり、73周目にストレートで並びかけていく。国本も、GT300車両との絡みも活かして粘りを見せるも、78周目に佐々木が先行。その後もポジションを譲らず、D'station GT-Rにとっては優勝した第4戦富士に続く今季2度目の表彰台獲得となった。

 ENEOS RC Fは4位となり、7番手からスタートしたWedsSport ADVAN RC Fが5位。6位にはスピンやペナルティもあったMOTUL GT-Rが続き、6番手でチェッカーを受けるもピット作業違反があったとして37秒のタイムペナルティが下されたドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTが7位。8位にKEIHIN NSX CONCEPT-GTが入った(※暫定結果では37秒のタイムペナルティが下され8位となっていた17号車だが、改訂版リザルトではペナルティがなくなり7位に。しかしその後、改訂版の改訂版が発行され、ペナルティが復活して8位という結果となっている)。

 9位からはKeePer TOM'S RC F、ZENT CERUMO RC F、カルソニックIMPUL GT-R、ARTA NSX CONCEPT-GT、そしてPETRONAS TEAM TOM’Sまでが完走扱いとなっている。