優勝したVivaC 86 MCと2位のTOYOTA PRIUS apr GT スーパーGT第6戦SUGOは20日、81周の決勝レースが行われ、GT300クラスは予選2番手からスタートしたVivaC 86 MCが大差をつけ優勝。参戦初年度のマザーシャシーに初勝利をもたらした。
予選日と同様、青空が広がるコンディションで迎えた決勝レース。毎戦恒例となりつつある地元県警協力のもとパレードラップが行われ、その後1周のフォーメーションラップでレースはスタートした。なお、公式予選に出走できなかったExcellence Porscheはフリー走行の結果を受け決勝への参加が認められている。また、昨日の練習走行でクラッシュしたマッハ車検 with いらこん 86c-westは決勝レースに参加することができなかった。
オープニングラップの1コーナーでは大きな混乱もなく、ポールシッターのARTA CR-Z GTを先頭に2番手VivaC 86 MC、3番手TOYOTA PRIUS apr GTの順で通過していく。トップのARTA CR-Zは2周目にVivaC 86とのギャップを1.3秒まで拡大したものの、翌周には0.8秒まで詰め寄られる。その後、6周目までは順位を守ったが、7周目にVivaC 86にオーバーテイクされ2番手に後退。その後、ARTA CR-Zは後方から迫ってきたTOYOTA PRIUSにもオーバーテイクを許し、3番手まで順位を落としている。また、9周目にはRUNUP Group&DOES GT-Rが2コーナーの立ち上がりで体勢を崩し、3コーナーでクラッシュ。右フロントを大きく破損してしまったためリタイアしている。
11周目にはトップを争うVivaC 86とTOYOTA PRIUSが2秒差まで詰め寄ると、16周目には1.054秒まで接近。しかし、20周目にはギャップを再び2秒まで押し戻す激戦が繰り広げられる。
このまま激しいトップ争いが展開されるかと思われた23周目、GT500クラスのDENSO SARD RC Fがバックストレートでクラッシュ。コースを塞ぐような形でストップしてしまい、セーフティカーが導入。またレギュレーションで定められているため、ピット入り口も閉鎖される。
セーフティカー導入から6周後の29周目にピットがオープンになると、GT500クラスも含めほぼ全車がピットインし、ピットは混沌とした状況となる。トップを走っていたVivaC 86やTOYOTA PRIUSなどはスムーズに作業を完了させコースに復帰したものの、多くのマシンが作業を行っていることもあり、出口付が渋滞。多くのマシンが足止めを余儀なくされてしまった。また、その直後にセーフティカーランが終了したことで、ピット出口が閉鎖。B-MAX NDDP GT-Rを先頭にピット出口がオープンになるまでコースへ復帰することができなくなってしまった。
ピットの混乱が収まった31周目時点でのトップはグリーンテック SLS AMG GT3。しかしグリーンテックSLSはピット作業を行っておらず、実質上のトップは6番手を走るVivaC 86と変わらず。2番手にマネパ ランボルギーニGT3、3番手にTOYOTA PRIUSが続く形となる。また、この周のSPコーナーでは見た目上の2番手を走るDIJION Racing GT-Rがバランスを崩しスピンしたが、すぐにコースへ復帰している。さらに、44周目にはトラブルなのか、シンティアム・アップル・ロータスがホームストレート上でマシンを止めている。
34周目時点では、実質トップを行くVivaC 86と2番手マネパ ランボルギーニとのギャップは約4秒だったものの、その5周後にはVivaC 86が16秒までリードを広げ独走態勢に入る。一方追いかける形のマネパ ランボルギーニは3番手のTOYOTA PRIUSに詰め寄られてしまう。
43周目から1秒以内の接戦を繰り広げていたマネパ ランボルギーニとTOYOTA PRIUSによる2番手争いは、55周目のバックストレートでTOYOTA PRIUSが後方から来たカルソニック IMPUL GT-Rを利用する形でオーバーテイクを仕掛けたTOYOTA PRIUSに軍配。しかし、トップのVivaC 86とは25秒以上の差がついてしまっていた。
その後もペースを維持したVivaC 86は最終的に2番手以下に23秒の大差をつけ、ラスト2周はペースを緩める余裕を持ちながらトップチェッカー。VivaC team TSUCHIYAが参戦初年度のマザーシャシーに初優勝をもたらした。2位は3番手以下に10秒以上のギャップをつけたTOYOTA PRIUSが獲得している。
一方で3番手争いは終盤にバトルが展開。レース残り3周でマネパ ランボルギーニの平峰一貴にGAINER TANAX SLSの平中克幸が0.4秒まで接近すると、その周のハイポイントコーナー入り口で、平中が平峰のインに飛び込み、サイド・バイ・サイドでバックストレートを駆け抜ける。最終的にブレーキングにアドバンテージの平中が馬の背コーナーの飛び込みでオーバーテイクを決め3番手に浮上。そのまま逃げ切り3位を獲得した。