厚生労働省の調査によると、2013年の労働者の有休取得率は平均48.8%。職場の空気が気になってしまう日本人の場合、政府目標の70%を達成するには「有休を取りやすい雰囲気づくり」が大切になるだろう。
東京・六本木にオフィスを構えるソーシャルゲームのgloopsは、「堂々と休みを楽しもう!」という雰囲気を作るために、プライベートな用途で使うことを想定した「特別休暇」を設定したところ、法定の有休取得率も向上したという。
「平日にディズニーランドに行きたい!」でもOK
2013年7月に導入されたのは、2つの特別休暇。「エンタメ休暇」は、「ゲームの発売日に並んで買いたい!」「平日にディズニーランドに行きたい!」などエンターテイメントに関する行事で休むことを想定し、半休2回か全休1日の休暇を毎年取得できる。
「アニバーサリー休暇」は、大切な記念日に年に1日取得できるもの。祝金として1万円も支給される。申請の際に詳細は確認しないが、結婚記念日や子どもの誕生日で取得する人が多いとのことだ。広報の峠玲奈さんによると、愛犬の誕生日に使った人もいるとのこと。
「トリミングに始まり、獣医で予防接種、保健所登録、ドッグラン、ドッグカフェでオリジナルケーキを食べるという使い方で一日を費やした社員もいましたよ」
2014年の特別休暇の利用率は「エンタメ休暇」が76.5%、「アニバーサリー休暇」が77.5%。この制度の新設で「堂々と休みを楽しもう!」という雰囲気ができたこともあり、法定の有休取得率は2013年の52.5%から2014年には78.5%まで25ポイント以上も増えたという。
このほか5日間の夏季休暇を、季節を問わず利用できる「ハッピーバケーション」に変更。従来の取得率は75.4%と低くなかったが、チームで作業を行う社員から「一斉に休めないので休みをずらして取りたい」という希望があったという。会社はさらに休みやすい雰囲気づくりにつながると期待しているようだ。
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