『月映』展が、9月19日から東京・丸の内の東京ステーションギャラリーで開催される。
『月映』は、20代前半の美術学生だった田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎が1914年に創刊させた雑誌。3人による自画自刻・機械刷りの木版画や詩が掲載され、創刊号の編集は恩地が1人で手掛けたという。発行は画家・詩人の竹久夢二が懇意にしていたという出版社・洛陽堂が行い、田中が結核によって逝去した頃に、創刊から約1年で終刊を迎えた。
同展では公刊版『月映』の紹介を中心に、田中と藤森、恩地の出会いや、同誌の準備期間に制作された限定の私家版『月映』、田中の死後に発刊された萩原朔太郎の初詩集『月に吠える』に関連する作品や資料など約300点を展示。『月に吠える』には、田中のペン画と恩地の木版画が収録されている。会期中には展示替えも予定されている。