男女雇用機会均等法の施行から30年。仕事で活躍することを生きがいにする女性も珍しくないが、「こんなはずでは」と我に返る人もいるようだ。はてな匿名ダイアリーには9月16日に「キャリアなんか捨てて子供産んでおけば良かった」というエントリーがあがっている。
筆者は新卒で入った会社で出世した「40手前の女」と自称。部下を20人持ち、都内一等地にマンションも購入した。週末には部下とその家族を招いてホームパーティをすることもあるが、「そこの旦那の年収をひと月で稼ぐ時もある」といい、かなりの高収入のようだ。
「20歳に戻って社内恋愛して会社やめたい」
順調にキャリアを築き、周囲からは羨望の眼差しで見られているが、「でも正直子供が欲しい」と書く。頑張れば頑張るほど収入は上がるが、虚しくなってきたのだという。
「いくらお金を稼いだって、所詮はあんなの数字の書いてある紙っぺらでしかない。私はそんなもんより何か頑張る目標みたいなものが欲しい」
収入が高いとはいえない部下が、激務の中で頑張ることができるのは、家族や子どもがいるから。「私くらいの歳になって自分だけの為に頑張り続けるのは正直辛い」と嘆く。とはいえ、いまさら恋愛をして結婚するのはハードルが高いという。
「あー20歳に戻りたい。そしたら速攻社内恋愛して子供産んで会社やめるのにな。辛い」
この投稿には200件以上のはてなブックマークがつき、多数のコメントが寄せられた。マンションでホームパーティなど、いかにもな設定に「釣り臭がする」といった指摘もある。
ただ、似たような境遇の人からは「今の私が『何で仕事してるんだろう』と考えこんでしまうのは本当」と共感する声もあり、普遍性のある悩みのようだ。
「もちろん、生きて行く為にはお金が必要。でも、そのモチベーションを保つには生きがいがないと難しい」
隣の芝ではなく「自分の庭のことをもっと考えろ」という声も
一方で、典型的な「隣の芝生は青い」状態だという指摘も出ていた。「それ子供産んだら、なんで子供なんて産んだんだろうとか考えるパターン」だというわけだ。たしかに人は自分の人生しか生きることができない。「自分の庭のことをもっと考えろ」と諭している。
投稿者と同世代で「似たような環境」という女性からは、「私は後悔はしていないし、20代に戻っても同じ選択をすると思う」というコメントが寄せられた。この女性は幼いころから、自分に対して「この選択で将来後悔しないか?」ということを頻繁に考えてきたそうだ。
そのため、「少数派だけど、自分の選択を卑下もしない」と決めている。今の自分の虚しさを、子どもの有無だけのせいにすると頭が固まってしまうとし、こうアドバイスしている。
「手持ちのカードで、今からしたい事をしたらいいんじゃないかな」
もっとも、投稿者はまだ40歳の手前。最近は30代後半で結婚、出産する人も珍しくない。そのため「まだ諦めるのは早い。今からでも婚活と妊活を始めてみれば?」という書き込みも寄せられていた。
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