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吉田鋼太郎、大人の色気を語る「家庭に落ち着けないからかな」

2015年09月16日 10:40  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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「ドラマはね、できればやりたくないって言ってたんですよ。若いころに、苦い思い出があって(笑い)」 今、いちばん渋くて、存在感のある俳優・吉田鋼太郎。演劇ファンなら知らぬ者はいない“日本を代表するシェークスピア俳優”だが、テレビドラマへの出演は、’10年ごろから。そして、お茶の間に顔と名が浸透したのは、昨年の朝ドラ『花子とアン』の炭鉱王・嘉納伝助役だった。以来、連ドラの常連、CMにも引っ張りだこ! 「20代半ばのころ、知り合いのプロデューサーに声をかけられて、ドラマに出たんですよ。エキストラでなく、ちゃんと役つきで。なのにオンエアを見たら後頭部しか映ってなくて。“こういう扱いをされてしまうんだ”と思ってね」 それからは、ずっとテレビ嫌い。しかし、転機をもたらす出会いがあった。それは、蜷川幸雄演出の舞台で共演した小栗旬。 「小栗くん、仲いいんですよ。しょっちゅう“テレビに出ろ”“テレビに出なきゃダメだ”“名前を売らなきゃダメだ”と言ってましたね。そして、小栗くんが初監督をやった映画『シュアリー・サムデイ』(’10年)に呼んでくれて。そこで“映像もおもしろいな”と思い始めちゃったんですね」 それをきっかけに“もし、声がかかるなら出たい”と意思表示を始め、今や主演を張るまでに。『鬼と呼ばれた男~松永安左ェ門』(9月19日放送予定、夜9時~)はNHKの放送90年ドラマシリーズ“経世済民の男”の最後を飾る作品。“電力王”とも“電力の鬼”とも呼ばれた松永安左ェ門を演じた。現在56歳の吉田が、特殊メークで74歳の老人に。鬼気迫る演技は、まさに圧巻! 「松永さんは非常にパワフルで、純粋な人。日本が戦争に敗れてボロボロになっているときに、“国がわれわれを立て直すんじゃない。われわれが国を立て直すんだ”と。損得じゃない。とにかく停電をなくしたい一心で、70歳を過ぎてから国と政財界を相手に大ゲンカをするんです」 遠い戦中・戦後の話と思ったら大間違い。東日本大震災以降“電力事業をどうするか”は誰もの関心事。現在の9つの電力会社体制を敷いた男の熱い願いは、まさに現在のあり方を強烈に問いかける。 「手前味噌ですが、僕も俳優ですし、ドラマや映画を見る機会は多く、見る目はあると自負しています。その僕が“すごいな、これ”と掛け値なしで思った。昨今のテレビドラマの中では、ひょっとしたら抜きん出た作品じゃないかと思います。感動しますし、本当におもしろいですから!!」 普段は出演作をプッシュするほうじゃないんだけどね、と茶目っ気たっぷりに笑う。ダンディーでありながら、少年のようにキュート。醸し出される大人の色気でモテモテという噂にも納得だ。 「色気なんて、全然あるとは思わないけど。全然モテないし(笑い)。みなさん、知っていらっしゃると思うんですが、離婚してるんですよ。家庭に落ち着けなくて(笑い)。もしかしたら、そこじゃないかな? 家庭を持っちゃうと、どうしても生活のにおいがする。生活人、家庭人になるというか。もちろん、僕は好きで家庭を持っていないわけじゃなくて、たまたま持ててないだけなんですけど(笑い)」 俳優としては、ぜひこのままでい続けてほしいものだが、 「嫌です(笑い)。幸せになりたいです」 撮影/伊藤和幸