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Suchmosが1stALリリースパーティーで“船出”の決意 「次は10倍くらいのハコで」

2015年09月14日 23:51  リアルサウンド

リアルサウンド

『Suchmos THE BAY』の様子。

 Suchmosが、9月10日に渋谷・WWWにて、リリースパーティ『Suchmos THE BAY』を行った。


 同企画は、7月8日に発売した1stアルバム『THE BAY』を携えて行われ、ゲストには若手バンドのD.A.N.と、先輩であるKIMONOSを招き、幅広いラインアップが会場を盛り上げた。


 1番手のD.A.N.は、サポートに小林うてなを加えた4人編成で登場。複雑でミニマルなリズムに小林のスティールパンや櫻木大悟(ボーカル・ギター・シンセサイザー)のスウィートな歌声が乗り、心地よいサウンドスケープを描いていた。続くKIMONOSは、LEO今井と向井秀徳によるユニット。「Miss」や「Yureru」、「Mogura」などのライブ定番曲を披露したあとは、ドラマーとして白根賢一(GREAT3)を呼び込み、LEO今井のソロ曲「Furaibo」を3人で演奏するなどし、先輩格の威厳を見せつけた。


 その後、3番手としていよいよSuchmosが登場。まずはリリースパーティーに相応しく、アルバム1曲目の「YMM」からライブをスタートさせると、続く「Burn」、「Allight」と、グルーヴィーな演奏とともに収録曲を立て続けに披露した。MCではYONCE(ボーカル)が「この日がくるまであっという間でしたね。パンパンじゃねーかよ!」と感慨深そうに語り、観客とともにこの日の動員を喜んだ。


 4曲目の「Miree」は、音源とアレンジを変え、BPMを早めにしたものに。ここではKCEE(DJ)のスクラッチが冴えわたり、生バンドの演奏を絶妙な塩梅で盛り立てるエディット感を演出してみせた。続いて新曲「Stay Tune」、「Get Lady」と、熱量を感じつつ、横揺れでゆったりノレる楽曲を披露し、MCではYONCEが「次はゆったりノレるところで。10倍くらいのハコでやりたい」と強気な発言をし、続けて12月12日に六本木・Super Deluxeにて自主企画『Suchmos The Blow Your Mind vol.1』を開催すると発表。ゲストにSOIL & "PIMP" SESSIONSを迎えることが明かされると、会場のファンは喜びの声を上げた。


 終盤の「GIRL feat. 呂布」では、イントロでYONCEがゲストの存在を匂わせ、ラッパーの呂布を呼び込み、歓声が上がるなかで同曲を披露したかと思えば、最後の曲である「Pacific」前には、YONCEが「夏の始まりにアルバム出して、夏の終わりにこうやってライブして。皆さんの夏を彩れたと思うんだ。今はまだ、Suchmosという船が旅立ってから1段目くらいで、俺らはあと三万段くらい登るんで。お互いの近況を報告しあうような感じで、また会おう」ファンへ向けてメッセージを発し、ラストナンバー「Pacific」を演奏した。


 そして、アンコールはリズム隊のセッションから始まり、メンバー全員が登場すると、ハードな演奏の目立つ新曲「BODY」を披露。その後、YONCEは「やるからには大本命になりたい。『THE BAY』から船出して、悠々自適に生きていってください」とクールに述べ、船出にぴったりのメロウな一曲「Life Easy」を届けたところでライブが終了した。


 ライブバンドとしてのアイデンティティを誇示しつつ、無邪気な振る舞いでファンを楽しませたSuchmos。船出を迎えたバンドの挑戦は、これからもより広い海原を舞台に、続いていくことになりそうだ。(中村拓海)