『ソフィ・カル―最後のとき / 最初のとき』展が、10月10日から愛知・豊田市美術館で開催される。
ソフィ・カルは、自身や他者の個人的な体験を主題に、写真と言葉を組み合わせた物語性のある作品を発表しているフランス出身の現代美術家。これまでにイギリス・ロンドンのテートギャラリーやフランス・パリのポンピドゥーセンターをはじめとする各国の美術館で個展が開催されているほか、2007年の『第52回ヴェネチアビエンナーレ』ではフランス館の代表として展示を行った。
昨年から1年間にわたって休館していた豊田市美術館のリニューアルオープン後、初の展覧会となる『ソフィ・カル―最後のとき / 最初のとき』展では、カルが長年にわたって取り組んできた視覚や認識にまつわる作品群を、美術館の空間にあわせて構成。「見ることとは何か」を問う3部構成となり、生まれつき目が見えない人々に「美のイメージとは何か」と問いかける代表作『盲目の人々』シリーズが一堂に展示されるほか、視力を失った人々にインタビューを行った『最後に見たもの』、生まれて初めて海を見る人々の表情を捉えた映像作品『海を見る』が紹介される。
会期中は東京工業大学リベラルアーツセンター准教授の伊藤亜紗による記念講演や、カルのドキュメンタリー映画の上映、八谷和彦が開発した他人と視聴覚を交換する装置を体験できるワークショップなどの関連イベントが開催される。なお豊田市美術館は、今回のリニューアルでバリアフリー化を含む改修を行い、ワークショップルームは2倍の大きさに拡張されたという。