今シーズン、フォーミュラ・ルノー2.0(F・ルノー2.0)ユーロシリーズとF・ルノー2.0NEC(ノーザンユーロカップ)の2シリーズに出場している笹原右京。NEC開幕戦で優勝を飾り、シリーズランキングも前大会終了時点でユーロシリーズは6位、NECは3位と、どちらもチャンピオン争いに加わり目が離せない走りを続けているが、第5戦ニュルブルクリンクブルクで2位表彰台を獲得したものの、国旗が間違われるというハプニングに遭った。
9月12-13日に開催されたF・ルノー2.0ユーロシリーズ第5戦ニュルブルクリンク大会でも笹原は大会前日の金曜日に行われた練習走行でトップタイムを出し、よい週末への滑り出しとなった。そして迎えた土曜日の予選、2グループに分けて行われる予選では後半のBグループに登場。Bグループ中2番手、総合で4番手のグリッドを獲得、わずかながらミスもあり悔しさをにじませながら午後の決勝に挑むこととなった。
「金曜日の走行で、コースレコードを上回るタイムを残せていたのですが、予選では先に走行していたA組がすでにそのタイムを上回っていたので、そのあとに走るB組でも昨日と同じような走りができれば、レコードを更新し、ポールも取れると思って挑みました。セクター1、セクター2といい感じできていたのですが、セクター3の最後のシケインでちょっと攻めすぎちゃって、そこで大きくロスをして、B組の2番手となってしまいました。残念ですけど、攻めた結果なので仕方ないですね」
肌寒さは感じるものの青空のもと行われた午後の決勝レースは、20分間の走行プラス1周というレースフォーマットで行われた。
「スタートは普通にきれました。1コーナー手前の時点で前の3台が3ワイドになっていたので、どっち側に行こうかなと一旦、様子を見て、イン側から攻めたところうまくいき、2台をパスし2位に上がることができました。ペースはトップの選手より良かったんですけど、前につくと、フロントがグリップしなくて逃げてしまい、なかなか抜くことができませんでした。途中のセーフティカー(SC)が入った時もリスタートでのチャンスを狙っていたのですが、それも難しかったですね。結果的にはそのままトップについていくことができて2位でした。4番スタートから2位表彰台なので、いいリカバリーができたかと思います。日曜日は予選から雨になるらしいのですが、ドライセットが決まっているし、ウエットは自信があります」
表彰台では日の丸ではなく違う国の国旗が挙がるというハプニングもあったものの、速さに対する手ごたえもあってか、自信をにじませながら笹原はレース後の取材に答えた。
迎えた日曜日、朝から雨という予報は外れたものの、午後から雨が降り始め、F・ルノー2.0の決勝はヘビーウェットのコンディション、SC先導でのスタートとなった。午前中に行われた予選ではBグループの2番手となり、総合3番グリッドからのスタートとなった笹原。前日に述べてくれたような雨での速さを見せつけるレース展開になることを期待したものの、レースはそれとは真逆のものとなってしまった。
「コース上を走り出した時点で、何かクルマのセットがずれているなという感触があったんです。SCスタートとなったので、リスタートをうまく決めようと狙っていたのですが、リスタートしてみるとコース上に留まっていることが精いっぱいな状態で……今までのレインコンディションのときと全然、クルマが違いました。途中、2番手のドライバーがミスをして一旦は2位に上がれたのですが、そのあとは全くコントロールできず、2回もコースから飛び出してしまい7位となりました。今回はドライのセットも今までとは違うものに変えたのですが、そのセットをベースにしたレインのセットは、今までの雨の時の速さ何だったんだろう? というくらい違うもので、まるで氷の上を走っているような状態でした。レース後、チームメイトとも話をしてみたら皆、僕と同じ症状だったようです」
悔しさが残る笹原の次のレースは1週間後、同じくニュルブルクリンクで行われる。
「来週はNEC方で戦います。このままチーム皆で1週間、ニュルに留まります。まぁ、その間は今回の雨の話題で持ちきりになるでしょうね。あまりにも全員遅かったので。ですが、日にちもあるので、なぜだめだったのか、予選の方でも、もっと詰められる部分も多少あると思うので、それを話し合って解決したいですね」
NECのランキングは3位に就けている笹原。今回での課題をクリアすれば、翌週のレースではさらなる好結果を残すことができチャンピオン争いの主役に躍り出る可能性も高い。