全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦オートポリスの決勝レースで、表彰台に登った中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)、石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)、小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)の3人が、今週末の戦いを振り返った。
●中嶋一貴:決勝優勝
「非常に苦しかったですが、狙い通りのレースができたので、とりあえずホッとしています。(今シーズンは)ずっと2位だったので、優勝できて気分はいいですね。ただ、(ランキング首位の石浦との)ポイント差はあまり縮まらなかったなというのが正直な感想です」
「今回のオートポリスと(次戦の)SUGOでできるだけポイントを削っていきたいと思っていましたが、今回も1点は削ることができました。そう簡単にはいかないとは思いますが、SUGOでも少しはポイントを削りたいですね。ただ、ここまで来るとあまり細かいことを考えても仕方がないので、予選から前にいくことだけを考えていきたいと思います」
「今年は予選であまり前につけられておらず、かつSUGOは1コーナーまでが短くて3番手ではトップに立てないと思うので、フロントロウは獲得したいですね。ただ、去年はあまりよくなかったので、行ってみないと分からないです」
●石浦宏明:決勝2位
「今週はずっといい流れで、朝の走行でも燃料を満タンに積んだ状態でタイムはよかったですし、全てがいい流れでした。ただスタートでは、反応は良かったのですがホイールスピンをしてしまい、その間に両側から一貴選手と可夢偉選手に挟まれる形になってしまいました。それでも、万が一スタートで前に行かれても作戦でがんばろうというのはチームとも話していましたし、もしかしたら(燃料が)軽いクルマがいるかもしれないと思っていたので、諦めなければ何かチャンスがあるかもしれないと必死についていきました」
「フロント2輪を替えるというのは自分で決めたのですが、替えてみたら想像していた以上にオーバーステアで、最終コーナーでスピンしかけたりと危なかった部分もありました。それでも、少しずつ慣れてきて追い上げることができました。最後はオーバーテイクシステム(OTS)も使い切ってしまい、少しでもチャンスが生まれないかなと思っていましたが、一貴選手は全然ミスをしてくれませんでしたね。でも、最後まで諦めずに走れたのはよかったなと思います」
「昨日のポールポジションで1ポイント獲れていてよかったと思っていますが、こうして毎回同じようなメンバーで表彰台に乗っていると、あまり(ランキングは)変わらないので、最終戦が(チャンピオン争いの)勝負かなと思っています。できることならポイント差を拡げて最終戦を迎えたいですが、自分にすごくチャンスがあるという感じでもないかなと思っています」
「このオートポリス以降は中高速コースになりますが、自分たちのクルマとこのコースの相性を心配していました。ただ、今回はすごくいい状態で走れたので、SUGOも期待できるかなという自信はもっています。終わってみるとこの(予選トップ3の)3人になったように、予選で前からスタートすることが重要だと思っているので、予選に集中していきたいなと思っています」
●小林可夢偉:決勝3位
「まず、このオートポリスでレースをするのは初めてなので、ほとんどのよく分からない状態で今週を迎えました。ただ、ヨコハマタイヤを装着したテストで軽く走っていたこともあり、流れとしてはそこまで悪くかったのかなと思っています」
「なぜ今回のような戦略(※燃料が軽い状態でスタートし早めにピットイン)を採ったのかというと、誕生日だったので、運があると思っていたんです。スタートで前に出られたら逃げ切れるなと思って、逆にそこに絞ったんですよね。朝のフリー走行の時点で、ペース的に負けている気がしたので、まともにいっても勝負できないと思ったんです。表彰台まではいける自信はあったのですが、普通にいっても勝てないならば違う戦略をとらなくてはいけないなと、自分たちの中でチャレンジをした結果です。それでこのリザルトなので、僕としては運がなかったかなと思います。ペース的には、ちょっと負けている部分もありながらも燃料が軽い分でカバーすることができたと思います」
「アンドレ(ロッテラー)があそこ(ピットストップ後の前方)にいたということがいちばんの計算外ですね。彼があそこにいなかったら最終的にトップ集団についていけていたと思うので、そこがちょっと惜しい。でも、それ以外は全体的にはいい一週間だったと思うし、チームのみんなががんばってくれて、ここまで作ることができたかなと思います」