WTCC世界ツーリングカー選手権の日本ラウンドは13日、決勝レース1/2が開催され、レース1は2番手スタートのホセ-マリア・ロペス(シトロエンC-エリーゼWTCC)が、レース2はティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)が制した。
■レース1
曇天模様ながら、心配された雨もほんのわずかという中で迎えたWTCC日本ラウンドのレース1。初開催のツインリンクもてぎでどんなレースが展開されるか、ホンダが今季レース1で初勝利を飾れるのかに注目があつまった。
スタートでは、ポールポジションのノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)がわずかに遅れ、2番手スタートのロペスが首位に浮上。ロペスを先頭にミケリス、そしてガブリエレ・タルキーニ(ホンダ・シビックWTCC)と続きイバン・ミューラー(シトロエンC-エリーゼWTCC)が4番手。マ・キンファ(シトロエンC-エリーゼWTCC)以降はダンゴ状態となって序盤戦を展開していった。
首位に立ったロペスだが、2番手ミケリス、3番手タルキーニとの差を思うように広げることができない。今回バラスト軽減によりシトロエン勢と互角の速さをみせるホンダ勢が、ロペスをピタリとマークして中盤を迎えた。
しかし、レース終盤に向けてロペスは少しずつミケリスとのギャップを広げると、最後は3.081秒差を築きそのままチェッカー! ワールドチャンピオンの強さをみせつける結果となった。ミケリス、タルキーニと、レース1の勝利が期待されたホンダ勢は2~3位となった。
神経戦となったトップ3の後方では、もてぎを沸かせるバトルも展開された。マ・キンファ、イバン・ミューラー、セバスチャン・ロウブというシトロエン3台が終盤に丁々発止の4番手争いを展開。また、エンジン交換により最後尾スタートとなったティアゴ・モンテイロがヒューゴ・バレンテ、ロブ・ハフと三つ巴のバトルを披露した。
■レース2
レース1を終え、表彰式が行われている最中、ツインリンクもてぎには心配された雨が降り出す。すぐに雨は止み路面は乾いたものの、リバースグリッドに加え、路面コンディションという不確定要素が加わることになった。
迎えたスタートでは、ポールポジションのヒューゴ・バレンテ(シボレーRMLクルーズTC1)の後方3番手から、モンテイロのシビックが抜群のスタートを決めトップに浮上する。レース2は打って変わって1コーナーからメディ・ベナーニ(シトロエンC-エリーゼWTCC)とミケリスが接触するなど、アクシデントが多発していく。
そんな中、トップを奪ったモンテイロは着実にリードを広げる一方、2番手となったバレンテの後方のバトルが激しくなる。ミューラー、タルキーニ、マ・キンファらが激しいバトルを展開。タルキーニは4周目の90度でキンファにインを刺されるが、その翌周の1コーナーでタルキーニがキンファをプッシュ。その間にロブ・ハフ(ラーダ・ベスタTC1)が3番手を奪い、表彰台をかけたハフ、タルキーニ、ロウブという3人による激しいバトルが展開されることになる。
一方、2番手争いはバレンテとミューラーの戦いになったが、ミューラーはバレンテに追突した影響でボンネットがめくれてしまい、オレンジボールが提示される。これでハフを先頭とした3台の争いが表彰台争いとなり、バトルは激しさを増していった。
絶妙のラインどりをみせる名手ハフに対し、ロウブは90度コーナーでたびたびハフに並びかけるもオーバーテイクはできず。その間にタルキーニがロウブのインを突き、ファイナルラップではふたりのバトルに。最終的にロウブが0.089秒差でタルキーニを制することになった。
モンテイロは最後までリードを広げ続けると、後方のバトルを後目にトップチェッカー! レース2とはいえ、ホンダに母国勝利をもたらした。2位はバレンテで自己最高位を獲得。3位は順位を守り続けたハフと、シトロエンがひとりもいない表彰台となった。
ポイントリーダーのロペスにとっては苦いレース2に。1周目にアクシデントでタイヤがバーストしレースを終えることに。レース1で2位を得たミケリスも、接触の影響でレース途中でピットに戻っている。昨年までの鈴鹿での開催に比べると非常にバトルが多く、WTCCらしいレースとなったもてぎ戦だったと言えるだろう。