英AUTOSPORTが2015年イタリアGPを戦った全ドライバーを10点満点で評価、グリッド最後列から入賞を成し遂げたレッドブルのダニエル・リカルドに満点を与えた。マクラーレン・ホンダのふたりに関しては、あまりにも厳しい週末だったと同情的な寸評がなされている。
リカルドは予選15位、エンジン交換により19番グリッドに降格され、そこから8位入賞を果たした。不運な状況の下で完璧な仕事をしてみせたとして満点の評価が与えられた。
「リカルドが本領を発揮した。粘り強く、ミスのない走りだった」と寸評には記されている。
「2回のエンジン交換で50グリッドの降格を受け、金曜にはハイドロリックトラブルで、土曜にはエンジントラブルで貴重な走行時間を失っている」
「Q1で1周だけのフライングラップでダニール・クビアトより速いタイムを出した。グリッド最後列から力強い走りで8位を勝ち取った。最終ラップのチェッカー直前にチャンスを逃さずマーカス・エリクソンのザウバーをオーバーテイクしたのも見事」
ポールから完璧な勝利を収めたメルセデスのルイス・ハミルトンは、予選パフォーマンスがいつものレベルに達していなかったとして9点の評価にとどまった。
「メルセデスのタイヤ内圧セッティングがどの程度影響したのかは予測できないが、それを差し引いてもハミルトンのパフォーマンスが素晴らしかったのは確か。金曜はマシンにあまり満足できておらず、予選パフォーマンスがいつもの自分のレベルを下回っていたと自身も認めている。その部分で1点マイナスとした」
「チームメイトにエンジントラブルが起きたことで、今季11回目のポールと7回目の優勝を比較的余裕でつかんだ。レース終盤、ペナルティの可能性に備えてプッシュするよう指示された時もミスなく乗り切った」
同じく9点を与えられたのはフォース・インディアのセルジオ・ペレス。予選でメルセデス、フェラーリ、ウイリアムズに続く7位を獲得、決勝では6位でフィニッシュした。
「ペレスは金曜に1周の速さにおいて見事なパフォーマンスを見せていたが、マシンバランスとロングランでのタイヤのデグラデーションには不満を抱いていた。しかしチームはセットアップ変更で一夜にしてこれを解決、ペレスの週末は好結果で幕を下ろすこととなった」
「予選はライバルたちに問題が起きたことで楽になったが、決勝ではミスなく戦い、序盤はニコ・ロズベルグとバトルし、タイヤも非常にうまく管理して走った」
マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンは共に7点という評価だった。
アロンソは予選17番手。パワーユニットのエレメント交換で10グリッド降格となったが、ルノー勢の大量降格により16番グリッドに。決勝では終盤に電気制御盤に問題が生じ、リタイアに終わった(18位完走扱い)。
「予選ではわずかにチームメイトのバトンより遅かった。ふたりは異なるタイヤ戦略を取ったが、レース終盤には並んで走り、ポジション争いをすることに。辛い週末、チームメイト同士のバトルだけが彼らにとっての楽しみだったにもかかわらず、それすら電気制御盤のトラブルで奪われる結果となった」
バトンは予選16番手、自身と他車のグリッド降格ペナルティの結果15番グリッドからスタートし、14位でフィニッシュした。
「重要なFP2の走行時間を冷却水漏れのトラブルで大幅に失ったにもかかわらず、予選でアロンソに勝ってみせた」
「素晴らしいスタートを決めて序盤に一時トップ10圏内を走り、パワー不足で苦しいなか、必死でディフェンスに努めた。タイヤを使い過ぎてしまい、終盤はアロンソに後方から攻め立てられたが、結局アロンソはリタイアでレースを終えた」
英AUTOSPORTによる2015年第12戦イタリアGPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。
■メルセデス
ルイス・ハミルトン:9点
ニコ・ロズベルグ:8点
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド:10点
ダニール・クビアト:7点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:8点
バルテリ・ボッタス:7点
■フェラーリ
セバスチャン・ベッテル:8点
キミ・ライコネン:6点
■マクラーレン
フェルナンド・アロンソ:7点
ジェンソン・バトン:7点
■フォース・インディア
ニコ・ヒュルケンベルグ:6点
セルジオ・ペレス:9点
■トロロッソ
マックス・フェルスタッペン:8点
カルロス・サインツJr.:7点
■ロータス
ロマン・グロージャン:7点
パストール・マルドナド:6点
■マノー・マルシャ
ウィル・スティーブンス:8点
ロベルト・メリ:6点
■ザウバー
マーカス・エリクソン:7点
フェリペ・ナッセ:6点