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終盤に向け勢力図が一変する可能性も:スーパーフォーミュラ第5戦直前プレビュー

2015年09月11日 19:11  AUTOSPORT web

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2014年スーパーフォーミュラ オートポリスのスタート
今シーズンのスーパーフォーミュラも第5戦に突入。残り3戦、2レース制の鈴鹿最終戦を考えるとあと4レースで今シーズンのチャンピオンが決まることになるわけだが、今回のオートポリス戦は、シリーズ終盤に向けた流れを決定づける大きなキーポイントとなりそうだ。

 ここまで4戦を終えた現在のランキングでは、今季2勝している石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)が32ポイントで首位を堅持。7ポイント差の25ポイントでジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)が2位につけ、24ポイントで中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が3位、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)が20ポイントで4位となっており、この4名がランキング上位集団を形成している。

 ただし、ここから最終戦までは、中高速に分類されるサーキットが続く。今回のオートポリスでも速さを発揮することができれば、続く2戦でも好パフォーマンスを残せる可能性が高く、終盤戦の勢力図を占う上で重要な一戦となる。

 ランキング上位勢では、ロッテラーがここ2年のレースで連勝。2010年にも優勝しており、通算3勝と得意としているサーキットと言える。また、一貴も11年のオートポリスでシリーズ初勝利を挙げており、PETRONAS TEAM TOM’Sが過去5年間で4勝と、圧倒的な勝率を誇っている。ロッテラー車を担当する東條力エンジニアは「オートポリスや鈴鹿は、ゲンがいいサーキットですよね。難しいサーキットですが、アンドレがうまく走ってくれている部分もあります。また昨年や一昨年は燃費レースとなりましたが、もともとアンドレは燃費良く速いスピードで走れるので、それもあると思います」と、好結果の要因を分析している。

 またオリベイラも、昨年は3位表彰台、一昨年も4位と上位を獲得。ランキング上位のチャンピオン経験者たちが、過去の好リザルトで“石浦包囲網”とも言える状況を作り出している。

 一方の石浦がここまで優勝しているのは、“ストップ&ゴー”と言われる岡山ともてぎ。仮に、特性の異なるオートポリスでも速さを見せることができれば、石浦の優位が続く可能性も高いが、逆に勢力図が一変することも考えられる。石浦本人は「ここからアベレージスピードが高いサーキットになるので、そこで僕らのクルマをどうやって合わせ込もうかというのを今エンジニアさんと相談しているところです。明日のフリー走行でどこまで合わせ込めるかですね」と週末を展望しており、まずは明日の予選でどこにつけてくるか。

 一方、ランキング上位集団に続くのは、5位の野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。獲得ポイント的には11ポイントで、4位のロッテラーとは9ポイント差、首位の石浦とは21ポイント差となっており、ランキング的には決して簡単な状況ではない。本人は、「一戦一戦やれることをやるしかない状況になっていると思います。もちろん、ここでいい結果を残せればチャンピオン争いに復活できるかもしれませんが、あまりそういう風には考えずに、ひとつでも上のポジションでゴールし、なおかつ前に誰もいなかったら最高ですね」と、まずは1勝を目標に掲げた。

 また今回は、ランキング6位に続く小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)のパフォーマンスにも、いつも以上に注目したい。というのも、可夢偉は6月末から7月初めにかけて行われたエンジンメーカーテストでこのオートポリスを走行しているためだ。シーズン前から走行経験のあった第2戦の岡山では2位表彰台を獲得する好パフォーマンスを発揮しており、同じく経験のある今回のリザルトも気になるところだ。

 900mの山中に位置していることから、天候も読みきれないオートポリス。濃霧でセッションやレースが中断されることも多く、荒れた展開もありえる。また、今年のオートポリス戦は、無給油で走り切ることができた昨年(215km/46周)とは違って、給油が必須なレース距離(250km/54周)となっており、タイヤ交換本数やタイミングなど戦略を立てる余地もある。そんなオートポリス戦を終えて、チャンピオン争いの勢力図はどのように変化することになるだろうか。