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KinKi Kids、嵐、関ジャニ∞……コンサートの「定番ネタ」から見える彼らの個性を探る

2015年09月10日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 テレビ、雑誌、ラジオなど、さまざまな媒体で活躍するジャニーズグループ。ふだんからさまざまな姿を目にする機会は多いが、彼らの魅力を存分に堪能することができるのは、やはりコンサートだろう。生で本人たちに会えることはもちろん、媒体を通してでは知り得ない彼らの一面が見られるコンサートには、各グループごとに「定番ネタ」というものが存在する。定番には定番になるが故の理由があり、それを紐解くことでグループの個性が見えるのではないかと考えた。今回はコンサートにおける「定番ネタ」から、KinKi Kids、嵐、関ジャニ∞の個性を紐解いてみたいと思う。


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■KinKi Kids


 個人での活動が目立つKinKi Kidsは、毎年正月にコンサートを行なうのが恒例となっている。また、光一の誕生日が1月1日ということもあり、コンサート中に剛がプレゼントを渡すことが定番ネタのひとつでもある。そのプレゼントは、剛のやんちゃな一面が反映され、少し照れ隠しな光一への愛にあふれたものになっているのだ。今回は、ここ数年で剛から光一に贈られたプレゼントを紹介したい。


<2013年>


 テレビのリモコンが故障しており、思うように切り替えができないという光一。そのリモコンがプレゼントされるのかと思いきや、出てきたのは「リモコン近日入荷予定」という色紙。そこで剛が「代わりにこちらを用意しました」と持ってきたのは、金色のファーのようなパーティー飾り、王冠、ロウソク型のメガネ、音のなるびっくり箱、“ハッピーバースデー”を歌う人形が出てくるびっくり箱。剛曰く「34歳になったので王子から王様へ」とのことらしい。


<2014年>


 剛が紙袋から取り出したプレゼントはまたしても色紙。その色紙には、KinKi Kidsのシングル曲のタイトルをもじった『被るより生やしたい(愛されるより愛したい)』『植えないで ヘアー(やめないで、PURE)』『毛 みんな元気かい?(Hey! みんな元気かい?)』などの言葉が。また色紙だけでなく「今度ヘアケアセットを渡す」と発言し、ファンを笑わせるという一面も。光一のデリケートな問題を愛のあるネタにできてしまうのは、剛ならではである。


<2015年>


 今年のテーマは「光一のために用意した剛の“発表会”」。テーブルクロス引き、けん玉、グロッケンでバースデーソング演奏などが披露されたが、全て失敗に終わった。しかし、オリジナルの誕生日ソングを歌唱し、締める所は締めるのが剛流。その後「もう剛からプレゼントをもらってる」と言い、ダイソンの加湿器を持ってきてファンに見せる光一。また、逆サプライズ的に光一から剛へもプレゼントが用意されていた。ファンには中身を見せられないとのことだったが、2人で仲睦まじく中身を確認。ファンから「見せて!」と声があがるも、「見せたらアカン」と最後までふたりだけの秘密を貫いた。


 一時期不仲説も流れた彼らだが、それを覆す「仲の良さ」をコンサートでしっかりと垣間見ることができるのが、彼らのコンサートでの「定番」となっている。


■嵐


 ファンクラブ会員が175万人を突破したと言われている嵐。コンサートのチケットは非常に手に入りづらいのだが、そこでしか見ることができない5人を一目見ようとチケット確保に試行錯誤しているファンが多いこともまた事実である。


 そんな嵐のコンサートにおける定番ネタといえば、ファンとのコール・アンド・レスポンスだろう。ほぼ毎回、コンサートがスタートして2~3曲目に彼らはファンを煽るようにコール・アンド・レスポンスを行なう。その際のセリフが決まっており、ファンとのお決まりの掛け合いが行なわれているのだ。


具体的には、


櫻井「調子はどうだ、◯◯(会場地名)!上の方、調子はどうだ!下の方、調子はどうだ!」
相葉「ねぇ、盛り上がってんのー!?」
大野「はぁ~い!」(ファン:はぁ~い!)×3回
松本「(その時々のセリフを言った後)俺ら5人でお前らのこと幸せにしてやるよ!」
二宮「いらっしゃいませー!」(連呼)


といった具合だ。


 このような細かな部分にも、彼ら5人のキャラクターが出ているのが面白い。また、全員が全く別のことを言ってもまとまって見えるのは、「グループ仲はジャニーズ1」と言われている嵐ならでは。コール・アンド・レスポンスを通して、メンバーとの距離を縮めることができるのも、嵐のコンサートの醍醐味ではないだろうか。


■関ジャニ∞


 曲中に行なうファンとの掛け合い、エイトレンジャーコント、丸山のギャグソロ(「TAKOYAKI in my heart」曲中に丸山がギャグをはさむパート)、メンバーによる横山いじりなど、コンサートにおける定番が多い関ジャニ∞。しかし今回は、彼らのMCに注目してみたいと思う。


 彼らのMCは、まさにフリーダム。一見、何の一貫性もないように見えるが、「メンバー内でその時流行っていること」つまり、内輪ネタをMCで話すというのが彼らの定番だ。例えば、2013年のコンサートツアー『KANJANI∞ LIVE TOUR JUKE BOX』では、メンバーの家の話、メンバー同士での飲み会の話、新年会の話などで盛り上がり、2014年のコンサートツアー『関ジャニズム LIVE TOUR 2014→2015』では、カラオケの話、最近収録したテレビ番組や出演した舞台の話などで盛り上がっている。それは、あたかも楽屋での彼らを見ているようだ。


 ファンのことを親しみを込めて「eighter」と呼んで大切にする関ジャニ∞。親しみを持ったファンを前にしているからこそ、このような何気ない会話を披露できるのかもしれない。そして、eighterたちもこうして普段に近い関ジャニ∞を垣間見ることで、彼らとの距離をより近く感じられるのではないだろうか。「『eighter』たちは僕らと同じメンバーの一員ですよね」とメンバーが言うように、関ジャニ∞とeighterたちはこうしてコンサートの度に、さり気なく絆を確認しあっているのであろう。


 コンサートで普段見ることのできないメンバーの素を見たり、一体感を体験することで、さらに彼らのことが好きになれる。初めてコンサートに参加する際には、ここで紹介したようなグループの「定番ネタ」を抑えておくと、より一層ジャニーズの世界が楽しめるかもしれない。(高橋梓)