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峯田和伸、『ピース オブ ケイク』単独インタビュー 役者業のこと、仕事論、銀杏BOYZの現在

2015年09月09日 19:11  リアルサウンド

リアルサウンド

写真撮影=下屋敷和文

 先週末に公開されて、興収でもトップ10に入るスマッシュヒットを記録中の『ピース オブ ケイク』。伝説的なパンクミュージシャンであり、1989年『鉄男』の主役で俳優デビューして以降、役者としても高い評価を受けている田口トモロヲによる3作目の監督作品であること。ジョージ朝倉の大人気恋愛マンガの映画化作品であること。多部未華子、綾野剛、松坂桃李、木村文乃、光宗薫、菅田将暉といった超豪華かつフレッシュなキャストが一同に集結していること。本作において注目すべきポイントは数々あるのだが、リアルサウンド映画部では、作中で一癖も二癖もある劇団の座長役を演じ、加藤ミリヤとのデュエットで主題歌も歌っている峯田和伸にフォーカスを当てた。


 『アイデン&ティティ』『色即ぜねれいしょん』に続いて、今回で田口トモロヲ監督作品では3作連続で重要な役を任され、『少年メリケンサック』や『ボーイズ・オン・ザ・ラン』などの映画作品にも出演、さらに昨年は舞台『母に欲す』で池松壮亮とダブル主演を務めるなど、このところ役者としての実績も着実に積んでいるように側からは見える峯田和伸。はたして、彼にとって「役者業」とは何なのか? というか、そもそも「仕事」とは何なのか? この取材の数日後には、大阪の人気フェスRUSH BALLのクロージングアクトで、銀杏BOYZとして久々の「バンド編成」でステージに立った峯田和伸だが、必然的に会話はそんな「銀杏BOYZの現在」にまで及んだ。(宇野維正)


■「自分ではまだ、自分のことを役者ではないと思ってる」


——峯田さんには、以前、リアルサウンドで豊田道倫さんとの対談をしてもらいましたが(参考:峯田和伸と豊田道倫が語る、音楽の生まれる場所「街は静かだけど、心のノイズは増えている」)、今回、新たにリアルサウンド映画部を立ち上げたんですよ。


峯田和伸(以下、峯田):あっ、そうなんだ。へぇー。


——それで、今回の『ピース オブ ケイク』の公開を機に、是非、役者峯田和伸にインタビューしたいなと思い。


峯田:(笑)。


——とは言っても、個人的にも峯田さんにインタビューするのは久々なんで、いろいろと脱線していくことになると思うんですけど(笑)。あ、そういえば見ましたよ、加藤ミリヤさんとの映画主題歌(「ピース オブ ケイク -愛を叫ぼう-」)のミュージックビデオ。メチャクチャ絡み合ってましたね(笑)。


峯田:ああいう、リップシンクっていうんですか? 現場で曲を流して、それに合わせて口を動かすっていう、ああいうミュージックビデオの撮影、やったの初めてかもしれない(笑)。


——最初、字面だけで「加藤ミリヤ feat.峯田和伸」って見たときは、「え? 清水翔太のポジション?」って感じで驚いたんですけど、すっごくいい曲だし、作中でも効果的に使われていて。ちゃんと作詞にも関わっているんですね。


峯田:まぁ、こういう機会でもないとなかなかできないことですからね。


——これも、(田口)トモロヲさんからの提案で?


峯田:そう。電話がかかってきて。「こういう話があるんだけど、ミリヤさんと一緒にどうかな?」って。で、大友(良英)さんが作曲をされるということもあって、おもしろいことになりそうだなって思って。実際、すごく新鮮な体験でしたね。


——今回の『ピース オブ ケイク』で、『アイデン&ティティ』、『色即ぜねれいしょん』に続いて田口トモロヲ監督作品への出演は3作目、いわば皆勤となるわけですが。最初に今回も峯田さんが出るって聞いた時は、「まぁ、トモロヲさんの作品だしね」って思ったんですけど、作品を観てみると、峯田さんが演じることにメチャクチャ必然性があるキャラクターを演じていて、しかも、今回もかなり重要な役ですね。


峯田:どんな役でもいいので、トモロヲさんの監督作品には出たいと思っていて。で、トモロヲさんからも「次の作品も出てほしいな」って言われてて。今回も、かなり早い段階で脚本を読ませてもらって。「千葉(劇中で峯田和伸が演じている劇団の座長)の役はどう?」「うん、この役だったらできます」って感じで。その後、原作もすぐに読んで、「うんうん、この役だったらできる」と。トモロヲさんもそれをわかって配役してくれたと思うから、そこはもう信頼関係ができてる感じですね。


——「この役だったらできる」というのは、やはり役者の仕事をする上では重要なポイントなんですか?


峯田:まぁ、シュッとしたスーツを着ていつも青山あたりにいそうな役だったり、弁護士の役だったり、そういうのはできないし、そもそも話もこないですよね(笑)。


——見てみたい気もしますが(笑)。


峯田:自分は役者として中途半端だから。もちろん、受けた仕事はしっかりしますけど、自分ではまだ、自分のことを役者ではないと思ってる。役者……うーん、少なくとも俳優ではないですよね。


——それこそ監督のトモロヲさん自身も、本業はミュージシャンでありバンドマンで、最初の頃はご本人のイメージに合った範囲で役者の仕事をされていましたけど、そこからだんだん役者として演じる役の幅を広げてきた方ですよね。そういう道筋は、峯田さんはまだ見えない?


峯田:どうなんだろう。全然わからない。まだ胸をはって「役者をやらせていただいてます」って言えない自分がいて。役者って、基本的に与えられた役だったらなんでもできなきゃダメだと思うんですね。自分の場合は、やれることだったらやりますってだけで。そういう意味では、プロの役者ではないんでしょうね。そこはトモロヲさんとは違いますね。


■「本当はなんもしたくない。なんもしないで生きていきたい。曲も作りたくない」


——ある意味、ミュージシャンの仕事とは真逆ですもんね。ミュージシャン、少なくとも峯田さんのようなミュージシャンは基本的に自分の中にあるものをゼロから発信していくのが仕事だけど、役者の仕事は監督になって自作自演でもしない限り、すべて「受ける」ところから始まりますからね。


峯田:でも、考えてみたら最近は「受けて」ばっかりなんですよ。ミュージシャンとしての仕事も。


——それは、昨年1月に銀杏BOYZの『光のなかに立っていてね』と『BEACH』をリリースしてからは、ってことですか?


峯田:そう。全部受けてる。自分から何かを歌いたい、ステージに立ちたいって思ったことは一回もなくて。考えたら。


——そうだったんだ。


峯田:昨年出したアルバム以外は、基本、全部「受け」。ドラマで「銀杏の曲を使わせてください」って言われたりすることも含めて。


——あぁ、『恋仲』ですね。うん、あれはビックリした(笑)。あのドラマ大好きなんだけど。


峯田:ああいうのって、普通はレコード会社の方からテレビ局にプレゼンをするわけでしょ? 「こういうアーティストがいます」「こういう曲があります」「是非ドラマの中で使ってください」って。


——峯田さんサイドから、そんなことを言ってないことはわかります(笑)。


峯田:全部向こうから「お願いします」だもん。こっちから「お願いします」って言ったことなんて一度もない。来たものに関してはちゃんと返すけど、自分からはまったくなにも動いてない。ライブだって、本当はやりたくないもん。嫌で嫌でしょうがないもん、人前で歌うのなんて。しょうがないからやってるだけで。


——それは昔から?


峯田:うん。人前で歌いたいなんて、一回も思ったことがない。


——もちろん、昨年のアルバムに関しては、あれは「しょうがないからやってる」人が作るような作品ではないということは聴けば誰でもわかりますが、それ以外に関しては、なんにもやらないってわけにはいかないからやってるということ?


峯田:なんもしないとお金も入ってこないし、生きられないし。そこはだから、生活のためにやってるって部分もありますよ。あとは……まぁ、とは言っても、本当にやりたくないような仕事は来ないんですよ。自分が「あ、おもしろそうだな」と思える仕事しか来ない感じはする。別に仕事を選んでるわけじゃなくて。おもしろそうな仕事ばかりが、ヒューって向こうからやってきてる感じ。それは、ずっと自分がそういうスタンスでこれまでやってきたからかもしれないけど。でも、基本的にはなんもやりたくないからさ、俺。


——そうなの?(笑)


峯田:なんもしたくない。なんもしないで生きていきたい。


——だって、曲は作りたいでしょ?


峯田:作りたくない。


——(笑)。


峯田:なんとなく「曲作んなきゃな」「音楽やんなきゃな」ってだけでやってるから。


——本当に?(笑)


峯田:だって、宇野さんどう、やりたい? こんな仕事?


——こんな仕事って(笑)。


峯田:本当にやりたいと思ってやってる?


——峯田さんと同じレベルで仕事について語れるわけがないけど(笑)。うーん、最近ようやくですね、あんまりやりたくない仕事を断るようになったのは。もちろん、スケジュールの都合が合わなくて断ることもありますけど。それだけで、自分の中では大きな進歩。


峯田:へぇー。


——だって、フリーの人間って、仕事は全部受けるのが基本だから。


峯田:そっか。


——理想は「自分じゃなきゃできない」と思える仕事だけをやっていくことですけどね。「これは他の人でもできるんじゃないの?」って仕事と、「これは自分が一番うまくできるかもしれないな」って仕事の違いは、自分の中では常に意識しながらやってますね。


峯田:あぁ、「自分じゃなきゃできない」ってのはそうかも。


——だから、峯田さんのやってる仕事は、「峯田さんじゃなきゃできない」ことだけなんですよ。今回の『ピース オブ ケイク』も含めて。


峯田:あぁ、そうですね。まぁ、20代の頃に「やりたくないことはやりたくないです」って言うのは大変だったけど、自分も37歳になって。もうみんなわかってくれてるんでしょうね。だから、そういう仕事しか来ない。


——ただ、そうなってくると、たとえば今回のトモロヲさんであったり、三浦(大輔)さんであったり、リリー(・フランキー)さんであったり、あるいはかつての自分の上司でもある鹿野(淳)でもいいですけど、そういう以前から付き合いのあった人からのオファーに限られてきちゃいませんか? 若くてこれまで峯田さんと接点のなかった人にとって、峯田さんに何かをオファーするのはなかなかハードルがあるんじゃないかと。


峯田:いや、それが最近、若い人とつるむことが増えてるんですよ。


——あ、そうなんだ。


峯田:音楽では、クリープハイプとも今度一緒にやるし、どついたるねんのイベントにも呼ばれてるし。一昨年までのレコーディングがやっと終わって。あの最中はさ、年上も同年代も含めて、誰とも会おうと思えなかったから。レコーディングが終わってから、やっと穴倉から出てきた感じで。「あー、世の中こんなことになってるんだー」って思って。若い人とも知り合えるようになって。だから、楽しい感じですね、今は。やっぱり新しいことをやってる若い人たちと一緒にいるとおもしろくて。刺激になる。だから、むしろそういう若い人たちとこれからは仕事をしていきたいと思ってますね。


■「ジョージ朝倉先生の作品は、ハードボイルドの中に、ちゃんとロマンの要素もある」


——なるほど。あと、これは今回の『ピース オブ ケイク』を観た感想なんですけどね、トモロヲさんのこれまでの監督作品と違って、今回の作品って本当に普通の女子大生やOLさんがスッと作品の中に入っていける作品で。もちろん、原作がそういう原作だからというのもあるんですけど、それだけじゃなく、すごく開かれた作品の作り方をしていることが印象的だったんですよ。


峯田:僕もそう思いました。「こういう作品も撮れるんだなー」「すごいなー」って。


——恋愛マンガの映画化作品って、昨今たくさん作られていますけど、どっちが優れているかとかではなく、それらの作品と並べても普通にシネコンとかで機能する作品っていう。そこにちゃんと踏み込んでる。


峯田:一口に日本映画って言っても、作品によって色合いが全然違うと思うんですね。バジェットもそうだし、キャストの集め方もそうだし。そんな中で、今回トモロヲさんの作品としては規模も大きい作品で、そこでトモロヲさんができたことも、できなかったこともあったと思うんですけど、側でその姿を見てて「すごく頑張ってるなぁ」って思ったし。結果、すごくいい作品になってよかったなって。


——そう。作品の足腰がすごくしっかりしているから、峯田さんがスクリーンに出てきたときの異物感も、ちゃんと作品世界の中に吸収されているというか。


峯田:異物感ってどういうことですか!?


——だって、異物じゃないですか。松坂桃李くんとか、木村文乃さんとかと並んだら、異物でしょ(笑)。


峯田:そうなんですかね。僕はもう、そういうことはまったく考えずに、僕ができることをやっただけです!


——いや、別に悪く言ってるわけじゃないですよ(笑)。最初は異物感があったけど、観てるうちに作品の中にちゃんと溶け込んできて、それでも存在感があって、素晴らしかったですよ。


峯田:ありがとうございます(笑)。


——さっきの仕事の「受け」の話じゃないですけど、この『ピース オブ ケーク』で綾野剛さんが演じている主人公の京志郎って、基本、恋愛に関して「受け」の人じゃないですか。相手に惚れられて、それで付き合って、別の2人を相手にそれをズルズルと引きずって三角関係をこじらせるという。そこに、なにか共感するようなところはありましたか?


峯田:共感ってのはないですけど、最初に原作のマンガを読んだとき、すごくおもしろくて。女性が描いたマンガなのに、なんでこんなに男のやりきれない感じがわかるんだろうって。本当に男性の心理を描くのが上手だなって思って。他の女性向けのマンガを読んだりすると、「男は、こんなときにこんなこと思わないし、普通は、ガーッとヤッちゃうんだよ」とかって思ったりするんだけど、ジョージ(朝倉)先生のマンガだと、そういうとき、ちゃんとヤッちゃうんですよね(笑)。


——確かに(笑)。逆に、男の表現者で、女性の心理描写に長けた人ってジャンルを問わず本当に少ないですよね。


峯田:男の人の場合はね、やっぱりどこかにロマンが漂っちゃうんですよね。で、女性の場合は、わりとハードボイルドになっちゃうんですよ。でも、ジョージ先生の作品は、ハードボイルドの中に、ちゃんとロマンの要素もあって。多分、一歩間違ったらね、ただのチャラい恋愛ものになっちゃうんだけど、ジョージ先生の執念というか、魂というのが、それで終わらせないっていう。その部分に感動したんですよね。


——峯田さんが主人公の京志郎の立場だったら、志乃(多部未華子)とあかり(光宗薫)、どっちにいっちゃいます? 自分は、観ながら「あぁ、完全にあかりにやられちゃうわ」と思ったんですけど。


峯田:どうだろうなぁ? ……でも、アパートの隣の部屋に住み始めた子が、偶然バイト先も一緒になったりしたら、そこに勝手に運命を感じて志乃の方にいっちゃうかな。いいじゃないですか、バイト帰りに2人で一緒に帰るとか(笑)。


——峯田さんって、バイトとかやってた時期ってあります?


峯田:大学に通ってた頃はずっとやってましたよ。パン屋の工場とか、焼肉屋とか、派遣の仕事で埼京線の線路に砂利撒いたりとか。


——バイト先で知り合って、付き合ったりとかは?


峯田:ないないない。派遣の仕事で、ワゴンに乗って現場に行くんですけど、そこで隣に座るおばちゃんに毎朝ゆで卵をもらったりとか、そのくらいの思い出しかない(笑)。だから、憧れますね。今でも、コンビニとかで女の子と一緒にバイトしてみたいですよ。


■「これからはセックスフレンドと一緒に音楽をやっていきたい」


——えっと……このインタビューはあくまでも役者峯田和伸へのインタビューということで、あんまり音楽活動のことを訊くつもりはなかったんですけど、やっぱり気になるのでちょっと訊かせてください。先ほど、昨年アルバムをリリースした後に穴倉から出てきたと言ってましたけど、もう同じような穴倉に入るつもりはない?


峯田:曲は作ってるんですよ。で、曲ができてくると、やっぱりレコーディングしたいと思ってきていて。でも、前みたいな感じにはならないと思いますね。もうちょっと風通しのいい環境を作って、その中でやっていきたいなって今は思っていて。もう、前みたいな感じではできないと思うな。もう嫌だもん、人が泣いたり怒ったりする現場。そんなの、もう見たくないもん。


——動き出してはいるんですね。


峯田:いや、ずっと動いてるよ(笑)。ただ、前のメンバー3人とは、同じ家の中で愛し合って、いがみ合って、結婚生活を送ってたと思っているのね。でも、それは失敗しちゃったから。これからはセックスフレンドと一緒に音楽をやっていきたいと思ってる。お互いの都合がいい時に、お互いが気持ちいい感じで、一緒にやろうよっていう。こっちにもあっちにも本命はいてもいいからって。


——随分と都合のいい話に聞こえるなぁ(笑)。


峯田:自分が気持ちよくなるだけじゃなくてね、お互いが気持ちよくなれればいいなって。


——じゃあ、またある時期を境に音楽だけに専念するって感じでもなく、音楽は音楽で、今回のような役者業も含めた他の仕事は他の仕事で、並行してやっていこうって感じ?


峯田:うん。どっかに余裕はもっておきたいと思ってる。でも、今一番楽しいのは曲を作ることだから、これから当面は、音楽中心。


——そんなにうまくいくかなぁ(笑)。いざ音楽をやるとなると、結局また同じようなことになるんじゃないかって心配してる人も多いと思うんだけど。


峯田:あれでしょ? そんなこと言いながら、宇野さんはまた僕に穴倉に入って欲しいんでしょ? で、そうじゃないとできないような作品を聴きたいんでしょ?


——ははははは(笑)。バレてる。でも、また5年も6年も待つのは嫌ですよ。


峯田:すぐ作るよ、すぐ。


——すごく勝手なことを言うなら、1年だけ穴倉に入って、そこで作られたものを聴きたい。でも、穴倉に入ったら1年じゃ出てこれないですよね。


峯田:いや、もう反省してますからね。反省すべきところはすごく反省してる。前のアルバムは「ここまできたら、もうとことんやろうぜ」ってことに途中からなっちゃったから。7年くらい経った時点で、「これでも出せるんだけど、ここまできたらもうちょっとやろうぜ」って、自分たちからすすんで入り込んじゃったから。でも、もうああいうことにはなんないと思う。


——今回の『ピース オブ ケイク』がすごくいいなって思うのは、さっきも言ったように、本当に普通の——まぁ「普通」ってなんだって話でもありますが——女子大生とかOLさんとかが観る作品の中に、ポツンと峯田さんがいることなんですよね。穴倉から出てきた峯田さんがこれからは違う方法で音楽をやろうと思っているタイミングで、それとはまた別のベクトルですけど、すごく広がりのある場所に立っているという。そこが、すごくいい感じがする。


峯田:うん。それは、トモロヲさんにとっても、この作品でやりたかったことの一つなんじゃないですかね。柄本(祐)くんの役もそうだけど、そうやって作品の中の何%かの割合でそういう、宇野さんが言うところの「異物」を入れておくことで作品の幅が出るっていうのは、トモロヲさんが意図したことだと思うし。そういう役に少しでも立てたならよかったなって。


——いや、でも銀杏としての活動も、今後いろいろ動きがありそうなのがわかって今日はよかったです。いろいろ楽しみにしてます。


峯田:うん。近いうちにいい報告ができると思います。(宇野維正)