杉本博司の個展『趣味と芸術―味占郷 / 今昔三部作』が、10月28日から千葉・千葉市美術館で開催される。
1990年代以降、国際的に高い評価を獲得し、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館やグッゲンハイム美術館をはじめとする国内外の美術館で展覧会を行っている杉本博司。2014年には『第1回イサム・ノグチ賞』を受賞したほか、近年は文楽や能といった古典芸能の舞台美術や演出を手掛けるなど、幅広い表現を行っている。
千葉市美術館の開館20周年を記念して開催される今回の展覧会は、「趣味と芸術―味占郷」「今昔三部作」の2部構成となる。1979年からニューヨークで古美術店を営み、自ら古美術品を収集している杉本のコレクションを紹介する「趣味と芸術―味占郷」では、杉本が『婦人画報』での連載「謎の割烹 味占郷」の中でゲストのためにデザインした床飾りを再現。平安時代から江戸時代の古物を中心に、古今東西の品々を杉本自身が組み合わせて作り上げた25種の演出を見ることができる。
「今昔三部作」では、杉本の代表作である『ジオラマ』『劇場』『海景』の写真作品シリーズから16点を大判プリントで展示。横幅4メートルを超える『ジオラマ』シリーズの最新作『オリンピック雨林』や、『劇場』シリーズの最新作『テアトロ・デイ・ロッツィ、シエナ』も日本初公開される。
関連イベントとして、10月31日には杉本による講演会を開催。また、11月7日には杉本と茶道の武者小路千家15代家元後嗣・千宗屋が「趣味と芸術」について語る対談が行われる。イベントの参加には事前の申込が必要。詳細はオフィシャルサイトをチェックしよう。