ホンダF1は、一番の問題である回生エネルギーのマネジメントを改善するため、来年のパワーユニットに関しては主要コンポーネントのデザインを変更する可能性があると伝えられている。
今季復活したマクラーレン・ホンダは苦戦し続け、パワーサーキットのスパ-フランコルシャンとモンツァで特に低迷したため、ホンダに批判が集まっている。
12戦を終えてもマノー・マルシャの上という位置から脱することができずにいるが、いつ事態が好転すると思うかと聞かれたジェンソン・バトンは、全く分からないと答えた。
「光が見えるかって? 改善していくだろうことは分かる。でもどれぐらい早く改善するのかは、誰にも分からない」とバトン。
「すぐにでも実現することを願っている。ホンダと(マクラーレンの)ウォーキングのスタッフ全員がそのために必死に努力しているのは分かっている」
「このマシンには多くのパーツ──空力とメカニカルパーツ──が投入されてきた。これほど多くのパーツが投入されるのを今までのF1キャリアの中で見たことがない。レギュレーションで空力に制限が設けられているなかでだ」
「つまり誰もが全力で取り組んでいるということだ。それでもいつ難関を脱することができ、勝てるようになるのか、分からない。今は誰にもその質問には答えられない」
しかしバトンはホンダへの信頼を失ってはいないと述べている。
「(信頼を失っていたら)ここで話をしていない」
「何か気に入らないことがあれば、新井さん(ホンダF1プロジェクト新井康久総責任者)やホンダのエンジニアと話をする。マシンに何か気に入らないことがあれば、エリック(・ブーリエ)やチームのエンジニア、空力担当者と話をする」
「今年僕らは難しい状況の中で懸命に努力し続けている。モータースポーツの最高峰で戦っているのだから、注目を浴びる」
「今年何度かいいミーティングをして、自分たちがしてきたこと、改善したこと、うまく機能しなかったこと、方向性について理解を深めた」
「明日にでもよくなってほしいけれど、F1は厳しいスポーツだ。それは難しい」
「今年初めのテストの時には、2周のランすらなかなかできず、それどころかガレージを出ることすら難しかった」
「つまりそこから大きく進歩したということだけれど、レーシングドライバーとしては、もっと上を目指しているし、もっと早く目標を達成したい」
「F1は熾烈なスポーツで、パワーユニットも空力もとても複雑だ。やれることがかなり限られているので、シーズン中に向上するために何かを変えるのは相当難しいことなんだ」
ホンダはERSのデプロイメントに関して劣っており、motorsport.comは、解決にはコンプレッサーなど主要コンポーネントのデザインを大幅に見直す必要があると論じている。しかし規則で制限されているため、そういった変更はシーズン中に行うことはできない。ホンダF1プロジェクト新井総責任者は、来年に向けて変更するつもりだと述べたとmotorsport.comが伝えた。
「弱点はデプロイメントです。レイアウトの問題によって非常に難しい。来年に向けて変更したいと考えています」と新井総責任者。
「でもまずは今季中もデプロイメントを毎戦少しずつ向上させていきたいですね」